中高一貫校へ入学すると、
初めは、似たような成績だった生徒さんも、
段々と差がついてきます。
そして、その差は、
高校生になると、もっと大きく開きます。
それは、中高一貫校生だけでなく、
普通の高校生も同じです。
ある程度以上の偏差値の高校では、
中間層の子供達も、
当然、多くの時間を勉強に費やしています。
ですが、
「これ以上勉強に時間を費やせない」
と思うくらい勉強していても、
なかなか上位層に上がれない
生徒さんもいます。
それは、なぜなのか?
「頭の違いでしょ?」
と思ったお母さん。
確かに、
ずば抜けて頭の良い子も、
たまに見かけることがあります
ですが、
やはり大きいのは勉強方法です。
勉強方法といっても、
暗記方法やノートのまとめ方、
書くか書かないか…
などではなく、
“必要な勉強をしているか?”
ということが大きいと思います。
テスト範囲の問題集を
片っ端からしている生徒さん。
(特に、女の子に多いですが…)
それ全部、出来ない問題ですか?
当たり前の事ですが…
すでに出来る問題を、
また解くことは時間の無駄です。
小学生であれば、
完璧に習得するために、
何度も計算練習をしたり、
何度も漢字を書いたりする必要が
あるかもしれません。
ですが、
高校生はただでさえ範囲が膨大です。
勉強する時間も限られています。
ならば…
分からない問題を、
“いかに多く、分かる問題に変えるか”
が、同じ量を勉強しても、
成績アップに繋がることになります。
そして…
“その勉強は、今、
自分にとって必要な勉強なのか?”
を、考えながら勉強することです。
高校生であれば、
自分の目指す大学の過去問をみて、
それに合うレベルの問題を解くことが
必要であり…
何も考えずに周りに合わせて勉強すると、
時間的なロスを生むことに
繋がりかねません
そして…“その勉強は、今、
自分にとって必要な勉強なのか?”
を考えながら勉強することは、
中学生にとっても、
小学生にとっても、
“効率的に学力を上げる”ために、
とても必要な事です。
例えば…小学3年生のお子さんで、
「時計の問題が苦手なんです…」
ん?時計が苦手?
じゃあ、足し算や引き算、
かけ算や割り算は得意なのかな?
と思って、計算をさせてみると…
あまり得意じゃない
「お母さん、
時計の問題は、高学年になれば、
自然と出来る場合もありますから…
それよりも、まず…
計算方法を完璧に習得しましょう」
と言いました。
実際、時計の問題は、
3年生や4年生で理解出来ていなくても、
5、6年生で、
自然と理解出来る場合もあります。
ですが、
2桁や3桁の足し算や引き算、
割り算やかけ算が出来ていないと、
即、路頭に迷うことになります
英語も同じです。
先取り教育をされているご家庭で、
「先生、英語の過去形が苦手です。」
そりゃ~、そうでしょ。
この間見せて貰った日記、
「この間の日曜日、お友達と遊びました。
とても楽しいです」
って、現在形になってましたから…
英語を学ぶよりも、
まず、国語を学びましょう。
国語において、
現在形、過去形などの時制はもちろんのこと、
接続詞や指示語がなにを指しているのかが
理解出来ていないと、
英語を学ぶことも難しいです
もちろん…
全ての学習が完璧に出来れば
それに超したことはありません。
ですが、それって難しいですよね…
中学生、高校生の上位層の子供達も
当然…
全ての問題が解ける訳ではありません。
上位層の子供達は、
“もちろん出来る問題が多い”ので、
上位の成績が取れる。
その理由は、
“今やる必要がある問題を、
優先的に勉強している”から…
それを意識して勉強しているかどうかで、
同じように長時間勉強しても、
中間層と上位層に分かれるのだと、
私は思います。
小学生の勉強も同じです。
2進法が出来なくても、
つるかめ算が出来なくても、
私立中学を受験するのでなければ、
あまり問題はありません。
ですが、
速度の問題が解けない、
食塩の濃度の問題が解けない、
割合の問題が解けない場合は、
中学生になって苦労します。
小学生は、各々の学年によって、
“絶対に習得が必要な事”
“今、出来なくても問題がない事”
があります。
「うちの子、○○が出来ない。
大丈夫かしらん!?」と心配する前に…
“それは、
今出来ていないと困ることなのか?”
を、冷静に考えて、
“全てにおいて完璧に習得すること”
を目指すよりも、
“優先順位をつけて学習すること”
を身につける方が、
中学生、高校生になってから、
上位層を目指す子供さんには
必要な事だと思います
先日、実家へ帰り荷物の整理を
行って来ました。
(リフォームをするので…)
今も残っている私が使っていた机から
高校時代のノートが多数出てきました
英語の構文を写して、
訳したり文法を記入したものや、
数学や物理を解いたものなど…
約40年前のノートが何冊も
残っていました
パラパラ中を覗いて…
「なんと効率の悪い勉強をしていたのだろ~」
って思いましたね
(特に、英語と古典)
あの英語の構文を写すのに、
何時間かかったのだろう?
あの古文漢文を写すのに、
どれだけの時間を費やしたのだろう?
どうして参考書に黄色のマーカーを引いて
赤シートで隠して勉強しなかったのか…
どうして参考書に
そのまま書き込まなかったのか…
嫌いな勉強ほど、
ノートを作る事に時間をかけ、
“やったつもり勉強”を
行っていましたね
あれじゃ~
共通一次(今の共通テスト)で
点数が取れなかったのも当然です
反対に…物理や化学、数学は
まともに勉強していましたね
決して綺麗なノートでは
ありませんでしたが…
本当に覚えるべき事だけをまとめ、
あとはひたすら難問を解いた形跡がありました
高校生だった私に
言ってあげたいですね~
「もっと効率よく勉強しようよ~
それじゃあ、
いつまでたっても上位層には入れないよ」
って…
渦中にいる子供には、
“何が効率が良くて
何が無駄な勉強なのか”
分からないんですよね
客観的に見て、
勉強方法を教えてくれる人が
必要なのかもしれません。
(高校時代、
私立中高一貫校だった私は、
塾へも通っていなかったので
勉強は全て学校の先生頼りでした)
ついでに…
小学校時代の通知表も出てきました
出来る事なら、
あの時代からやり直してみたい
180度違う人生に
なっていたかもしれないなぁ~
(今の人生に不満があるわけでは
ありませんが…(;^^;))
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