小学4年生のお子さんの親御様から、
ご相談がありました。
大手塾に通っています。
どんどん内容が難しくなる算数が嫌になり、
家でほとんど勉強しなくなりました。
勉強するように言うと、愚図ることが多く、
親子喧嘩になります。
「愚図ると勉強しなくて良い」と
思っている節があります。
自分のための勉強だと分かっているとは言いますが
本当の意味での理解はしていないと思います。
こういう内容のご質問をいただきました。
(プライバシー保護のために、
文面は変えて、質問の概要だけ記載しました。)
中学受験を考えているご家庭では
同様の悩みを抱えている場合も
多いのではないでしょうか?
こういう問題を抱えているご家庭の場合、
お母様はお子さんの成績が下がる事が
一番の問題だと思っているでしょうが…
私から見て問題だと思うことは
お子さんの成績の上がり下がりではなく、
・お子さんが算数が苦手になってしまう
(あるいは嫌いになってしまう)
・親子関係が上手くいかなくなってしまう
この2点です。
まず、認識して欲しいことが2つあります。
それは…
小学生で、
“勉強するのは自分のため”だと
理解している子なんて、ほとんどいない
そして…
勉強よりもゲームや漫画やYouTubeが
楽しいのは当たり前だということです。
親は、
「勉強するのは自分のためでしょ」
「勉強しなければ、将来困るのよ」
「どーして勉強せずにゲームばっかりするの」と
言いますが、
“自分のために勉強しなければ…”
などと思う小学生は、ほとんどいませんし、
“将来のことを現実的に考えている”
小学生もほとんどいません。
「明日、体育がサッカーだから嬉しい」
「遠足のおやつ、何を持って行こうかなぁ」
「可愛い○○ちゃんと
隣の席になれたら良いなぁ~」
昔も今も
小学生の考える事は、そんな程度です
稀に、
「私は将来お医者さんになって、
大勢の困っている人を助けたい」なんて
大人びたことをいう子もいますが、
そういう子も、大半は…
“こう言うと、お母さんが
「○○ちゃん凄~い」って
嬉しそうに褒めるから”に
過ぎません。
まだ、この世に生を受けて
たった10年ですよ?
そのうちの3~4年間は
お母さんベッタリの赤ちゃんです。
そんな年齢で、
10年以上先の事を考えて行動するなんて
無理難題を押しつけてはお子さんが可哀想です。
そして
「どーして勉強せずにゲームばっかりするの」
と怒るお母様は多いですが、
そりゃー
“勉強するよりもゲームをする方が楽しいから”
ですよね。
私の今までの家庭教師の生徒さんも
今、塾へ通ってくれている生徒さんも、
ほとんどが…
“勉強が嫌いでやらなかった”
“塾が嫌で(いくつもの塾を)やめてしまった”
という子達です。
その中には、
「今までいくつもの塾へ行きましたが
どの塾も嫌々行ってて…
ずっとトイレに籠もっていたこともありました。
でも、yuyu先生となら勉強するって言うんです。
ビックリですー」
とお母様に言われたこともあります。
何が違うのだと思いますか?
まず1番は、
勉強を押しつけるのではなく、
勉強をする子供に寄り添う事です。
「子供は勉強して当たり前」と
思っているお母様はいませんか?
案外、そう思っている塾の先生も
多いです。
そういう講師は、
「どうしてこんな問題が分からない?
ちゃんと説明を聞いていれば分かるだろ?」
とか
「どうして宿題をやって来ない?
やる気がないなら来なくて良いよ」
という発言をするようですが…
私は、部活帰りで、
疲れてコクコク居眠りをしてしまう
生徒さんにも、
「部活で凄く疲れてるのに
それでも頑張って塾へ来てくれたんだねー
偉いねー」と声をかけます。
“子供達は、
別に楽しくもない勉強を、
頑張ってやってくれているんだ”と
私は考えています。
小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、
大学4年~6年間の16年間以上もの長い間、
子供達は、勉強をやり続けなければなりません。
16年間もの間、
嫌なことをやり続けるのって
もの凄く苦痛じゃないですか?
なので、
彼らが少しでも苦痛を伴わず
勉強してくれるように…
声かけをとても大切に考えています。
「えー、声かけなんて
大したことじゃないでしょ。
まずは、勉強内容でしょー
とりあえず成績を上げる事が最優先」
と、考える親御さんもいらっしゃるかも
しれませんが、
一番大事なのは、
子供さんの気持ちです。
「早くやりなさい!」
「グズグズ言わずにやりなさい!」
「とりあえず…仕事しなさい!」
大人でも、
そんな風に言われると仕事をやる気が失せますよねー
大人は責任感もありますし、
仕事であれば給料を払って貰えるから、
我慢してやるかもしれませんが、
「とりあえず勉強しなさい」
などと言われても、
まだ発展途上の子供がやる気が起きないのは当然です。
“どうやって説明して、
どうやってこの問題を理解して貰うか?”
それも大事なことですが、
一番大切なのは、
“どうやって子供さんに
気持ち良く勉強して貰うか?”
ではないでしょうか?
そのように周りの大人が心がけ、
勉強をするのが日常となった子達が、
高校生となり自ずから勉強に励む人間に
なるのだと、私は思います。
私は生徒さんに、
まずは簡単に解ける問題から指導を始め、
「わぁ~ちゃんと解けるねー
しっかりと理解力もあるし、
丁寧に書けてるねー」と
しっかりと褒めます
算数や数学でも、
もちろん徐々に難易度を上げていきますが、
「大丈夫!分かるまで説明するよ。
絶対に出来るようになるから心配ないよ」と
生徒さんに安心してもらうように声かけをします。
もちろん、
1クラス10人も15人もいる大手塾では
1人1人に声かけなど出来ないでしょうから、
ご家庭で学習する時に、
親御さんがお子さんに
そういう励ます声かけをしてあげて欲しいと思います。
それから、大手塾は
先に進むことを重要視し、
ついて行けないことに
やる気をなくす子供さんもいます。
“全範囲を完璧に!”を目指すのではなく、
まずは、目の前の分からない問題を
1問1問丁寧に、分かる問題に
変えていくことが大切です。
そうすることにより、
お子さんが「やれば出来る!」という自信に繋がりますし、
出来ることが、やる気にも繋がります。
大人も子供も
人間は単純な生き物だと思います。
ほんの些細な事で、
やる気をなくしたりしますし、
反対に、ほんの些細な事で、
やる気に満ち溢れたりします
全くやる気のなかった生徒さんが、
鼻歌を歌いながら問題を解いているのを見ると、
あまりの変貌ぶりに驚くこともありますねー
まずは…
お子さんの気持ちを第一に考え、
親子二人三脚で仲良く
中学受験に立ち向かって欲しいと思います
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