以前、小学6年生の生徒さんが、
「学校の社会の授業、
凄く長いんです~」
と言っていました。
「どうして?
社会だけ延長授業?」と聞くと、
「ううん。
時間は同じ45分だよ。
でも、全然時間が経たないんだ…」
つまり…
授業が面白くないってことだね
「じゃあ、
一緒に歴史の勉強をしてみようか…
まず、問題を解いてみてくれる?」
習ったばかりの範囲の問題を解いて貰うと、
正解率はなんと4割
「授業ちゃんと聞いてるよね?」
「聞いてるよ、一応…」
「じゃあもう一度、解説するね」
と問題集のまとめを解説しました。
それでも、プラス2割解けただけ…
残り4割は、頭に入っていません。
(学校に準拠した簡単な問題集です)
「じゃあ残り4割が頭に入るように、
今までとは違う授業をするよ~
まず、
縄文時代ってどのくらい続いたか知ってる?
約1万年くらい続いたんだよ
弥生時代から令和の今まで、2022年。
農業もなく打製石器を使って
狩りだけしていた縄文時代が
弥生時代から令和までの5倍くらいの期間
続いたなんて、凄いと思わない?
縄文時代は1万年もの間、
ほとんど進歩しない状態が続いたのに、
どうして2000年少しで、
スマホで何でも調べられて、
ロケットで宇宙へ行けるまで
発展したんだろうね?
A君はどう思う?」
まず、
歴史に少しでも興味を持って貰えるよう
授業とはあまり関係のない話をします
それから…
年代順に解説するのではなく、
覚えやすいように、
項目毎に頭にインプットします。
例えば…
歴史の最初の段階であれば、
「じゃあ~遺跡をまとめて覚えるよ。
旧石器時代は岩宿遺跡、
縄文時代は三内丸山遺跡、
弥生時代は登呂遺跡と吉野ヶ里遺跡。
次は古墳。
古墳時代は大仙古墳。
大和朝廷は稲荷山古墳、江田船山古墳…」
時代ごとに学習した後に、
重要人物をまとめたり、
文化も、平安時代の文化(国風文化)、
室町時代の文化、江戸時代の文化を
まとめ…覚える事柄を整理します。
私が社会や理科を生徒に教える場合、
最初に、
問題集のまとめ部分を解説します。
これは学校の先生が生徒に
行うような授業です。
学校の先生は、
教科書を読んで解説しますよね。
私は参考書や問題集を使うという
違いだけです。
そしてこの段階では、
(個人差はありますが)
半分くらいしか頭に入らない子が
ほとんどです。
つまり…
学校の授業を真面目に受けても、
テストが50点位なのは
当たり前のことなんですよね。
学校の授業を受けるだけで、
理科や社会のテストが
95点以上取れるのは、
よほど記憶力が良いのか、
理科や社会にとても興味があるのか
だと思います。
つまり…
理科や社会で95点以上取るためには
“家か塾で勉強をする必要がある”
と思います。
家で勉強をする時にも、
ただ単に問題集をさせるだけでなく、
工夫をすることが必要です。
以前、
集団学習の指導へ行った時、
アルバイトで来ていた
国立大学教育学部の4回生の学生さんが、
「次の期末テストの範囲、
解説するから聞きたい人集まって~」と
子供達に公民の勉強を教えていました。
勉強を教えて貰った後、
一人の女の子が
「学校の授業みたいで
全く記憶に残らなかった…」と…
当時、集団指導に来ていた子供達は、
1科目20点前後の強者たち
教育学部の学生さんの
正攻法の授業が理解出来るのであれば、
学校の授業を聞いただけで
もう少し点数が取れてるんですよね
理科や社会の学習内容に
ほとんど関心がない子供にとって、
「学校の先生や塾の先生の授業を
しっかり聞いてくるのよ~」
と、いくら親にハッパをかけられても、
教科書を読んで、
抑揚もなく説明するだけの授業は、
退屈に感じても仕方がありません。
塾の先生にも、
学校の先生と同じように授業をし、
「はい、ここはテストに出るよ~
大事だから覚えておいてね!」と
言うだけの人がいますが、
それでは、覚えるべき事が
断片的に頭に入るだけなので
記憶に残りにくく、
「明日になったら忘れてる~」
という場合が多いです。
例えば…歴史であれば、
年代事に順に学習したり、
各々の事柄を
その都度覚えるのではなく、
国風文化と室町文化の違いや
3人の武将の違い、
比較したり系統立てて覚えることが
学力アップに繋がります。
(もちろん学校の先生の指導法が
悪いわけではなく、
教科書に沿って解説することは
必要な事ですし、
まず最初にやらなければならないことです。
ただ、その授業を聞くだけでは
成績を上げる事は難しいので、
プラスアルファの勉強が必要なんですね。
私が集団指導で生徒さんに
社会を教える場合、
自分だけが解説するのではなく、
必ず子供達を巻き込んだ授業を行います。
「国民の義務は3つ。
働いて、税金を払い、
子供がいれば教育を受けさせる!
はいっ、○○ちゃんから、
一つずつ言ってみて~」
すると右端の女の子から
「勤労の義務」
「納税の義務」
「普通教育を受けさせる義務」
と言ってくれます
「はいっ、もう一度!!
今度は左端の子からね~」
と何度も言って貰います
「次は非核三原則ね~
一言一句間違えないようにね~
全員で言うよ~
はいっ、核兵器を~」
「持たない、つくらない、
持ち込ませない~」
みんなで大声で言ってくれます
偏差値60超えの生徒さんには
こんな授業は必要ありませんが、
偏差値があまり高くない生徒さんには
とても効果的な指導法です
小学生でも中学生でも同じですが…
社会や理科は、
学習方法を工夫さえすれば、
簡単に成績が上がる科目です。
教科書を隅から隅まで読ませても
成績が上がらない場合は、
教える側がもう一工夫してみては
如何でしょうか?
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