私は家庭教師を20年以上しています。
その20年というのは、
実際に稼働していた年数であって、
家庭教師を始めたのは、
今から35年以上前になります
(歳がバレる~)
当時は、どのご家庭でも…
玄関を入り、すぐ横の階段から上がって
子供部屋へ行く。
あるいは、玄関を入って、
廊下を通って子供部屋へ行く。
という、家の造りでした
ですが、今のご家庭は、
リビングの中にある階段を上がって
子供部屋へ行く。
あるいは、リビングを抜けて、
その先の廊下の向こうに子供部屋がある。
という、家の造りがほとんどです
こういう…家の造りの違いによって
昔と今では何が違うのか?
それは、最近の家の造りの方が、
“ご家庭の内情がよく分かる”
ということなんです
昔は、お母さんと面談する時も、
家庭教師が終わって
色々お話しする時も、
子供部屋か、客間で、
お茶を頂きながら、
お話しすることが多かったのですが、
今は、大半のご家庭では、
リビングでお話させて頂きます
ご兄妹がいる場合は、
妹ちゃんや、弟ちゃんが側にいますし、
ペットを飼っている場合は、
ワンちゃんが寄ってきたりします
(もちろん、
私的には何の問題もないです)
こういう状況下ですと、
親子関係も素に近いものが見られます
今の親子関係に多いのが、
いわゆる…
“友達タイプ”の親子関係
“一緒に遊び、一緒に学び、
一緒に喧嘩する”
みたいな、親子関係ですね
(我が家も、
かなりそれに近いですが…)
一昔前は、親子でも、ある程度
距離があるご家庭が多かったのですが、
最近は、コロナの影響で
友達と遊べないこともあり、
また、少子化で
兄妹が少ないこともあり、
親子関係がかなり親密なご家庭が
ますます増えている気がします
“友達タイプ”の親子関係
とっても素敵だと思います
ですが、困るのは、
いざ、勉強をさせようと思ったとき…
「え~っ、勉強嫌だぁ~」
「どうしてしないといけないのっ?」
「ママだって勉強してないじゃん」
と、
安易に反論されてしまうことです
つまり、何でも言える間柄が
“アダ”となってしまう訳です
そして…
こういう状況で困っているご家庭、
非常~に多いです
「勉強しないと将来困るのよ」
「勉強が出来る方が○○ちゃんも
楽しいでしょ」
「塾や学校の宿題をするのは
当たり前でしょ」と親が言っても、
「だって、ママだって
そんなに良い大学出てないじゃん」
「ママはスマホばっかり触っているのに
どうして僕だけ勉強?」
「宿題なんて面倒くさ~」と、
平気で言い返してくる子供さんもいます
そうして親は、
「先生、うちの子、
全く親の言うことを聞かないんです」
と、言って来られます
どうしてこうなってしまうのか?
それは…
“親子関係にメリハリがない”
ことが原因だと思います。
一緒に遊ぶ時は、
友達のように楽しく、
目一杯、仲良く遊ぶと良いでしょう
ですが、何かあった時は…
親としての威厳をちゃんと保つべきだと
思うんですよね
そして、
今の生活が出来ていることは
当たり前のことではない。
親が努力して成り立っていることを
子供にもちゃんと説明すべきだと
思います
例えば…
誕生日プレゼントを渡した時、
「お父さんが働いて買ってくれたのだから
ちゃんとお礼を言おうね」とか、
スマホを買い与えた時、
「親は子供の安全を守らなければならない。
だから、
危ないサイトにアクセス出来ないように
制限をかけるのは当然だし、
自分で解除してはダメだよ。」とか、
幼い時期に
勉強をするのが嫌だと言った時、
「幼少期にちゃんと勉強してきたからこそ、
お父さんとお母さんは、
あなたに普通の生活をさせてあげることが
出来るんだよ。
勉強は、今、100点を取るために
するのではなく…
今のような幸せな生活を
作り上げることが出来るための
準備だと思う。
もしお父さんとお母さんが
幼少期に勉強を頑張っていなければ、
今のように、
あなたに服を買ってあげたり
おもちゃを買ってあげたり
美味しい物を食べさせてあげたり…
そんな生活は出来なかったかもしれないね。
今の生活は、
お父さんとお母さんの努力の上に
成り立っているんだと思うよ」
と、話をしてみてはどうでしょう?
少なくとも…親のことを、
「バカだ」「アホだ」と罵るような子供には
育たないと思います
私が見てきた成績優秀者のご家庭では、
この“親子関係のメリハリ”が、
ちゃんと出来ている事が多いです
そして、親子が近すぎることによる
もう一つのデメリットは、
子供が、思っていることを
何でも親に言うことにより、
親のストレスが溜まって、
喧嘩が多くなることです。
子供に、
「宿題なんて面倒くさ~」と言われると、
「誰の宿題だと思ってるのっ」
「なんてことを言ってるのっ」
「面倒くさ~って何それっ」
と、言ってしまいますよね
ですが、
親子で一定の距離があるご家庭では、
子供さんは、心の中で
「宿題なんて面倒くさ~」と思っても、
口には出さないので、
喧嘩になりません
“子供の事は全て知り、
子供の事は全て分かっている”
それが良い親だ
と思っているお母さんは
大勢いらっしゃいますが、
子供は子供、親は親。
立場も人格も異なるので、
全てを知り、
全てを分かろうなんて、
どだい無理な話なんですよね
恋愛関係と同じ…
ベッタリくっついていて、
子供の何もかも知ろうとする親より、
適度な距離を取り、
見守る姿勢を持つ親の方が、
特に、中学生以降の親子関係が
上手くいっているご家庭が多いです。
そして…中学生以降、
親子関係が上手くいかず、
お母さんがイライラして、
親子喧嘩が絶えなかったり、
側にいると疲れるからと、
仕事に逃げてしまって
学習に全く関与しなくなってしまったり、
不安から…
必要以上に子供を束縛し、
友人関係からお金の使い道まで
チェックしたりするお母さんもいます。
そういうのは、間違いなく…
成績に大きく影響します
子供とベッタリ一緒なのは、
幼稚園(保育所)へ入るまで
それ以降は、徐々に
お互いに適度な距離を持てるよう~
“親子関係のメリハリ”を
大切にしてみては如何でしょうか?
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