与える教育と何もしない教育

私の家庭教師の生徒さんは、
大半が中学生。

そのほとんどが、
“中学生になり成績が下がった”と
親が思っている子供さんです。



「小学生の時は良く出来たんですけど…
どうして中学生になって
成績が下がったのでしょう?

ずっと同じように、
勉強させてきたつもりなんですが。」


「小学生の間は
どのように勉強していましたか?(^^)」


「はい。
そろばんと公文と進学塾とピアノに
通っていました。」


「えっ?
それじゃあ、子供さんは
毎日忙しいですね。
遊ぶ時間もなかったのでは?(゚ロ゚)」


「いえ、
ちゃんと自由時間も与えていました。」


「……………!!!」



“自由時間って
親に与えられるものなの?”

思わず、刑務所を連想しました(>o<)



小学生は…学校では
決められたスケジュール通りに生活し、
家では自由時間。


その自由時間の中で、
○時~○時までだけはピアノに行く。
というものじゃないのでしょうか…



「では、中学校に入ってからは、
どのようにしていましたか?」

「ちょっと待ってて下さい。」

と言って、
大量の問題集を持ってきました(゚ロ゚)



「塾や公文だけでは
成績が下がる一方だったので、
色々問題集を買ってみたんですけど…

これは、
学年で一番の子供が使ってる問題集で、

これは、
東大生が使ってた問題集を
ネットで調べて購入して、

これは、
塾の先生に勧めて貰った問題集で…」



「…………………。
お母さん、
じっくりお話させて貰って
いいですか?(´д`)」


つまり…
たらふくご飯を食べて…
「もう食べれないよ~」
と言ってる子供に、


「じゃあ、ケーキはどう?
フルーツはどう?
ハンバーガーなら
食べれるんじゃない?
ピザなら好きでしょ?」


“まだ、食べさせるの??”


子供は、
「もう食べ物は見るのも嫌っ
って状態なのに、
親は気づかないんです…



そのお母さんは、
「与える教育」だけが、
正解だと思ってるんですね。



今の小学生、
テレビとゲームがないと、
“何をしていいのか分からない”
という子供達が多いそうです。



友達の家へ行っても、必ずゲーム。
「ゲームばかりしないで、
他の事をして遊べば?」
と言うと、

「じゃあ、何をしたらいいの?」
と聞き返してきます(。・_・)



ゲームは自分が考えなくても、
次々と向こうから
やるべき事を教えてくれます。


つまり、
自分の頭で考えなくても、
楽しく時間が過ごせる。


でも、
本当の自由時間というのは、
自分で何をするのかを考えて、
自由に過ごす時間。



その中で、

子供達は知能が発達し、
思考力が高まり、
応用力が培われていくわけです。



ですが、前述のお母さんは、
勉強の合間に、1時間、
ゲームやテレビを見る時間があるので、

“自由時間を与えている”
と言ってるんですね(>o<)


それは親の管理下で、
“ゲームをしても良い時間”
であって自由時間ではないんです。



「お母さん、
一度全てをやめて貰って…
白紙に戻しましょう!」
と、話をしました。


つまり、
“一度お腹を空っぽにしてから、
規則正しい食事に戻す”
という療法ですね(^_-)




自由時間がある環境で育った子供と
自由時間がない環境で育った子供。

小学生くらいでは、
あまり違いが見られなくても、

中学3年生頃から、
大きく差が出てきます。
それは、学習状況においても同様です。



自由時間がある環境で育った子供は、
勉強内容が高度になり、
親が教えられない状況になっても、

どんな風に勉強すれば
成績が上がるのか?
自力で考えられる子が多いです。


友達や塾の先生と相談して
自分で問題集を選んだり、
色々試行錯誤することが出来ます。



また…時間の使い方においても、
違いが見られます。

自由時間がある環境で育った子は、
時間の使い方が上手な子が
多いです。

それは、幼い頃から、
自分で時間を管理することを
自然と学び、
時間を計算しながら、
遊んできたから…



「はい、ゲームはあと5分よ。」
「あと10分したら塾に行くから。」
と、全て親に時間を管理されて
育った子供は、

自分でスケジュールを立てる場合も、
異常に細かく計画を立てたり、
分刻みに予定を入れたり…

「えっ?これ実行出来るの?」
という、スケジュールを立てたり…
する場合もあります(T-T)


自由時間がない環境で育った子供は、
感覚的に身につくはずの
“時間配分”
身についていない気がします(T-T)



親は、
「与える教育」
ばかりに、捕らわれがちです。


ですが、
「何もしない教育」
も、子供の成長には
欠かせないものなんです。



「与える教育」と「何もしない教育」
両方をバランス良く行うことにより、

“小学校、中学校、高校と、
長期間、学習を続けられる子供”
に成長するのだと思います。



前述の生徒さん、
リハビリに時間がかかりましたが、

最終的には
目標の成績まで到達しました。

公文や学習塾で、
基礎が出来ていた事は、
もちろん良い面でもありました(^_-)

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