20年以上も家庭教師をしていると、
様々なご家庭に出会います
もちろん、お母さんの職業も様々です。
専業主婦、
スイーツ会社の女社長、
東京芸大卒のピアノの先生、
大学講師、
医師、
看護師、
自営業の事務、
塾講師、
会社員…
職業が異なるということは、
もちろん学歴も様々です
高校卒、
専門学校卒、
短大卒、
私立大学卒、
地方国立卒、
難関大学や医学部卒。
そして、
母親が高学歴=子供の成績が良い
という図式が成り立つ場合もあります。
しかし、
母親が高学歴な故に、
子供の成績が良くないんじゃないか?
と、思うパターンもあります。
子供の成績と、
親子関係には密接な関係があると
私は思います
つまり…
親子関係が良くない場合、
子供の成績が上がらないことが多いです。
特に、小学生や中学生の場合は、
その傾向が強いです。
母親の学歴と、
子供の成績の関係について、
今まで見たご家庭を考えてみると…
母親が高学歴な故に、
家庭学習が上手くいっているパターンと、
母親が高学歴な故に、
親子関係がギクシャクして、
家庭学習が上手くいかないパターンが
あります。
反対に…
母親が高校卒な故に、
親子関係が上手くいっている
パターンと、
母親が高校卒な故に、
家庭学習が上手くいかないパターンが
あります。
まず、
母親が高学歴な故に、
家庭学習が上手くいっているパターンは、
学習内容に関してだけ、
お母さんの経験を生かして
アドバイスしていることが多いです。
例えば…、
「お母さんは小学生の時、
こんな風に漢字を覚えていたんだよ。
○○ちゃんも、そんな風にやってみる?」
とか、
「県名を覚えるときは、
その県の特産物や、
特徴と合わせて覚えると、
頭に残りやすいかも…
宮城県は県庁所在地が
仙台市で、仙台七夕祭りが有名だよ。
食べ物では、牛タンや笹かまぼこが
有名だけど、
ママは、ずんだ餅が好きだなあ~
あとは、こけしも名産品だよ」
と、学習内容に関してだけ
色々と教えてあげるお母さんは、
親子関係も良好な場合が多いです。
反対に、
母親が高学歴な故に、
親子関係がギクシャクしてしまう場合は、
日常生活においても、
お母さんが高学歴な部分が
全面に出てしまっています。
(もちろん、お母さんからすれば
そういう意識はないと思いますが…)
例えば…
“親が汚れた服を洗ってくれたら、
感謝の言葉を口にして欲しい”
とか、
“私が小学生の時には
もっと勉強し、もっと成績が良かった”
とか、
“親子関係が上手くいかない原因は
幼少期の子育てが悪かったんじゃないか”
とか、
“今、学習状況をレベルアップしないと、
中学受験も上手くいかないし、
大学受験も上手くいかないんじゃないか?”
とか…
自分の小学生の頃や、
お兄ちゃんお姉ちゃんの小学生の頃と
比べてしまい、
下の子供さんに、
焦りや幻滅を感じ、
それを子供に言ってしまう
お母さんもいます。
また…
「宿題はキチンとするべき」
「勉強するのは自分のため」
「部屋の片付けをするのは当たり前」
「誰かに何かして貰ったら、
感謝の気持ちを持つ」
などの、正論を
子供にぶつけてしまうお母さんもいます。
確かに、お母さんの言っていることは
正しいです。
お母さんとしては、
「私が言っていることは正しいのに、
どうして反論してくるのだろう?
どうして素直に聞いてくれないんだろう?
ちゃんと出来てる子もいるのに…」
と、思いますよね
ですが、子供さんによっては、
“お母さんの言っていることが正論だから
反論してしまう”
“お母さんの言っていることが正論だから
素直に聞けない”
という場合もあるんです。
高学歴のお母さんの場合、
全て理論的に考えてしまい…
堂々巡りで、
お母さんの方が精神的に
参ってしまう場合があります。
こんな時、
もしも中学校しか出ていない
昔のお母さんならどうするでしょう?
(例えば…の話であって、
学歴に偏見があるわけでも、
本当に中卒のお母さんが
そう言っているのを見た訳でもありません)
「まぁ~た、また、
この子はすねちゃって…
ホント、素直じゃないんだから~
でも、そこが可愛いんだけどね
あとでちゃんと、やっておきなさいよ~っ」
って、言うかもしれませんね
小学生、中学生は、まだまだ子供。
自分で感情が
コントロール出来ないことも、
素直に感情を表現できないことも、
自分の気持ちを
上手く言葉に出来ないことも…
あって当然なんですよね
「憎まれ口は叩くのだから、
もう充分大人でしょ」
と思うかもしれませんが、
そうではないと私は思います
母親が高卒な故に、
親子関係が上手くいっている
パターンでは、
お母さんが自分の学力を客観的に見て、
それを子供に隠さない場合が多いです。
例えば…
家庭教師先の生徒さん、
「この問題、
ママに教えて貰ったんだけど、
やっぱり間違ってた~
ママは、全く勉強出来ないからなぁ~」
と、言っていました
「でも、お料理も上手だし、
インテリアのセンスもとっても良いし…
優しくて、良いママだよね」
と私が言うと、
「うん
料理はたまに失敗するけどね…
ママもパパも大好き」って…
「ママ~、
やっぱりママが教えた問題、
間違ってたよ~」
「あら~、ごめんね。
ママ、算数全く出来ないから…
今度から、全部先生に聞いてね」
親子関係もとても良好でしたし、
男の子だけど、
いつも精神的に安定していて、
反抗期もほとんどないお子さんでした
中学受験も合格し、
中学からの成績も良かったです
反対に…
母親が高卒な故に、
家庭学習が上手くいかないパターンは、
「どうしてちゃんと勉強しないの?
だからこんな成績なんでしょ」と、
テストの結果ばかりを重視するお母さん。
「お母さんだって、
勉強出来なかったから高卒じゃん。
私の勉強だって教えられないし…」
「だから、お父さんと結婚して
苦労してるんでしょ。
あなたはちゃんと勉強して
良い大学へ行き、
良い人と結婚しなさいっ」
え~っ、それは言っちゃダメでしょ
「先生、
“私が高校しか出ていなくて、
就職先でも肩身の狭い思いをしたから、
あなたにはそんな思いをして欲しくなくて、
家庭教師までつけてあげてるんでしょ”
って、お母さんいつも言うんです。
勉強しないと将来困るから、
勉強しろ、勉強しろって…
それを聞く度に、
やる気がなくなります」
高校しか出ていないことが、
お母さんのコンプレックスとなり、
それを子供さんに、負の因子として
押しつけてしまってるんですよね
つまり…
“こんな風に良くなるから、勉強しなさい”
じゃなく、
“こんな風に悪くなるから、勉強しなさい”
なんですよね…
これは、子供さんの
勉強へのモチベーションを下げてしまいます。
どこの親御さんも、
子供の事を考えてアドバイスし、
子供の将来を思い教育しています
ですが…
言われる子供の身になっていますか?
“やる気になってる時に、やれと言われる”
“悪い成績を取って落ち込んでいる時に、
成績が悪いと怒られる”
“正しいことが出来て当たり前のように
言われる”
“親の価値観を押しつけられる”
“自分以外の人間と比べられる”
こういうことは、
大人でも嫌ですよね~
以前もブログに書きましたが…
“親は絶対に子供のことを諦められない”
そういうものだと思います。
決して子供の手を離さず、
かつ、
一人の人間として尊重し…
お子さんとの18年間を
楽しんでみては如何でしょうか?
たまには、童心に返り、
子供とバカなことを言い合ったり、
一緒にゲームを楽しんだり…
子供を正しい方向へ導こうとする
だけでなく…
他愛もない日常を、
一緒に歩むことも必要だと私は思います
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