中学受験の「前受け」についての質問です。
1月に県外の中学校を受けるか、悩んでいます。
ちなみに、前受け校に実際に通うことは無いと思います。
そして、普段、通塾していないので(家庭教師だけで勉強中)、模試は毎回どこか私立中学の校舎で受けていて、友達も顔見知りもいなく、模試とはいえ一人で少しドキドキして受けていると思います。
前受けのメリット、デメリットを天秤にかけ、悩んでいます。
メリットはもちろんわかるのですが、デメリットと思うのは、感染症にかかりたくない(予防接種はします)、直前の貴重な時間が丸1日(前泊ならもっと)潰れてしまう、合否どちらでもその後の気持ちのコントロールが難しいかも、ということです。
2/1午前が本命校なので、いきなり本番!よりは、親子共々、願書提出から荷物と心の準備まで、練習させていただきたいような気もするし···。
yuyuさんは、前受けについてどう思われますか?
生徒さん達の体験談とかあれば、併せて教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
今回は中学受験の”前受け”について
ご質問を頂きました。
ありがとうございます~
「”前受け”を聞いたことがない~」
という方のために…
“前受け”とは、本命校の前に受ける
“予行演習受験”のことですね!
受験解禁日が2月1日である
東京、神奈川在住の方は”前受け”を
考えている場合も多いかと思います。
関東圏だけでなく、
受験日が早い関西圏でも”前受け”は
あります。
(”前受け”は関西から言われ出したような…)
“前受け”と
“滑り止め受験”あるいは”併願受験”との
違いは、
“前受け”は
“合格しても行かない事を前提に
受験する”ということです!
合格しても行かない一番の理由は、
“遠いから”でしょう。
では、なぜ、
“行く気もない学校を受験するのか?”
それは、
色々と考えて受験スケジュールを立てても、
“第一志望が最初の受験”という
パターンになってしまうことがあります。
そのため、
・受験本番に慣れる(親も子も…)
・当日のスケジュールを確認する
・本番へのリハーサルになる
という理由で、
“前受け”をされるご家庭が
多いのだと思います。
もちろん、”前受け”には
デメリットもあります。
・感染症にかかりたくない
・直前の貴重な時間が丸1日(前泊ならもっと)潰れてしまう
・合否どちらでもその後の気持ちのコントロールが難しい
ご相談者さんが書かれていた
この3つがデメリットだと私も思います。
その中でも、
私が一番重要だと思うのは、
・直前の貴重な時間が丸1日(前泊ならもっと)潰れてしまう
ということです。
私には今年度、
中学受験学年の生徒さんがいます。
小学4年生から指導していて、
公立中高一貫校と、私立中高一貫校の
両方を受験予定です。
つまり…適性検査用の勉強と
私立中学用の両方の勉強をしています。
時間が足り無い~
本当に、時間が足りない~
“前受け”に行っている余裕なんか
全くもって…ありません
9月から指導時間を増やして、
週4回(週12時間)指導していますが、
(ご家庭からの希望です)
やることが満載なので、
それでも時間が足りません
「”前受け”に行ってる時間があるのなら、
1問でも多く問題を解いてくれ~」
って、感じです
“前受け”に対する私の個人的な考えは…
・受験初日が本命校でない場合は必要なし。
・前泊となる場合も必要なし。
(時間のロスの方がデメリット)
・本人が「いらない」という場合も必要なし。
“前受け”を行った方が良いと思うのは、
・試験会場まで1時間以内で行ける
・今の偏差値よりも少し低い学校で合格の可能性が高い
・志望校と試験傾向が似ている
・受験初日が本命校
・本番に緊張するタイプである
場合でしょうか?
そして、
成績に多少!?余裕があり、
お金に割と!?余裕があり、
「合格したら通っても良い」と
思える学校が何校かある場合は、
“前受け”を受験することも
メリットとなる要素が大きいと思います。
うちの息子のように、
公立中高一貫校一択の場合は、
“前受け”を受験する意味は全くありません。
(私は息子に、
「”前受け”に受験費用を払うなら
受験に向けて体力をつけるために
焼き肉でも食べに行こうよ~」
と言い、
息子も「そうだ、そうだ~」と
言っていました)
ただし、”前受け”をしない場合は、
前以て、受験会場を確認したり、
受験当日のシュミレーションを
行っておくのが良いと思います
ご相談者さんのように、
“受験初日が本命校”の場合は、
お子さんの意見を聞いてみては
どうでしょう?
「不安だから本番前に
練習をしておきたい」と言えば
“前受け”をすることはお子さんの安心に
繋がるかもしれませんし、
「それより勉強するほうが
大事だと思う」と言えば
シュミレーションで乗り切るのも
一つの手だと思います。
合否どちらでもその後の気持ちのコントロールが難しい
これは…
お子さんの個性によって全く異なります。
合格通知を受け取り、
気が抜けてしまう子もいますし、
合格通知を受け取った途端、
俄然やる気が出る子もいます。
そして、言わずもがな…
“前受け”の不合格は
絶対に避けたいところです
大学入試でも、初っぱなの不合格は
精神的ショックが大きいです。
中学入試をするのは小学生。
不合格をバネに…
という精神力が養われていなくても
当然だと思います。
万が一不合格であれば、
見なかったことにするのが良いでしょう
しつこいようですが…(;^^;)
“前受け”の一番のデメリットは
“時間のロス”だと私は思います。
たとえ”前受け”を受験していても
本番受験で予期せぬ出来事が
起こることもありますし、
“前受け”は○○ホールだったのに、
本番受験は学校が試験会場で
全然シュミレーションにならなかった…
という場合もあります。
塾の先生は毎年多くの生徒さんを
指導していますが、
私は家庭教師なので
1人1人の生徒さんと
付きっきりでガッツリ向き合います。
家庭教師でも
コンサルタント形式で
何時間かだけ勉強をみて
アドバイスを行ったり、
あるいは、
受験前の1ヶ月~半年だけ
指導する場合も多いです。
しかし私の場合は
(数ヶ月の生徒さんもいますが)
ほとんどの生徒さんが2年以上、
中には4、5年指導する生徒さんもいます。
長期間指導しているので、
「算数のあの問題集の
○ページの何番の問題は
どういう風に間違えたか?」とか
「昨年指導した5年生の理科のメダカでは、
どういう問題を間違えたか?」まで
覚えています。
計算スピードや
苦手なタイプの文章題、
向いている暗記方法や
ケアレスミスをするパターン、
問題の得手不得手、
性格はもちろんのこと、
食べ物の好き嫌いや
仲の良い友達の名前、
興味があることや得意な運動、
起床時間就寝時間まで…
知っています(^_-)
生徒さんに対しても情が移り…
「何としてでも受かって欲しい~」
そう願う気持ちは、
親御さんと同じくらいだと思います。
そういう私の立場からすると、
受験当日までに
“あの間違えた問題を
もう一度解いて欲しい”
“あの分野を完璧に覚えているか
もう一度確認したい”など…
出来るだけ完璧に仕上げたいと
思ってしまいます
最後は、”時間との闘い”なんです
という理由で…
私は自分の生徒さんには
“前受け”を勧めません
ですが、
これはあくまで私の考えですし、
前述のように、
お子さんの性格などもありますから、
ご家庭でよく話し合われて
最終判断をされるのが良いと思います
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