今月初めに、
「学習障害かもしれない…」とご相談を受けた
記事を書きましたが、
その記事に、
いつもの3倍くらいのアクセス数がありました
同じように悩んでいるご家庭が
多いのかもしれないと考え、
「学習障害かも!?」と
ご両親から相談を受けた生徒さんを
これまでどのように指導してきたのか…
他の生徒さんとは、
どう指導方法を変えるべきなのか…
また、
なぜ「学習障害かも?」と
疑ってしまうような状況になったのか…
(私が指導した生徒さんが
“学習障害ではないがグレーゾーンである”という前提の基)
今回の記事を書いてみました。
前回の記事にも書きましたが、
学習障害とは…
Learning Disability(LD)
“全般的な知的発達に遅れがないものの
「聞く」「話す」「読み書き」
「計算・推論する」能力に困難が生じる
発達障害のこと”であり
特定の分野にのみ著しい苦手さを示す
障害のことです。(ネットより抜粋)
ですが、
「うちの子、学習障害かもしれません。」
と、ご相談がある大半のご家庭では、
「聞く」「話す」「読み書き」に
困難があると判断したのではなく、
「計算が遅い」
「文章題が読めない」
「覚えたことをすぐに忘れる」
「暗記が苦手」
「学校や塾の勉強について行けない」
という、
もうワンランク上の能力が
周りの子達に劣っていると
ご両親が判断されているようです。
つまり…
“読むのも書くのも計算も
普通に出来るけれども
勉強が全く出来ない”
という状況ですね
“本当に学習障害かもしれない”
(聞く、読み書き、計算が全く出来ない)と
思った場合は、
私ではお役に立つことが出来ませんし、
専門家に相談される方が良いと思うので、
指導はお引き受けしません。
なので、
今まで指導した生徒さんは、
親御さんは”学習障害かもしれない”と
言われていましたが、
私は”学習障害ではない”と
判断したお子さん達です。
私が行った指導方法とは…
前回も書きましたが、
まずテストを見せて貰います。
大抵は、
100点満点で10点~15点くらいのテストが
ずらりと並びますね
親御さんが
“学習障害かもしれない”と
考えるくらいですから、
得意科目もない子が多いです。
そして、
これまで塾は行っていたか?
家ではどのように勉強していたか?
などの、学習状況を伺います。
私にご依頼があるくらいですから、
当然、
ほとんどの子は塾へ通った経験があります。
その後、
どうして”学習障害かもしれない”と
思われる状況になったのかを考えます。
(私が考えた)その理由として
今まで一番多かったのが、
“考えるスピードがゆっくりである”
ということですね。
お子さんの中には、
1(いち)話をすると
10(じゅう)悟ってしまう
目から鼻に抜けるようなタイプの子もいますし、
大人が話そうとしている内容を
先回りして言ってしまうような
才走った子もいます。
それと同じように、
考えるスピードがゆっくりである子もいます。
考えるスピードがゆっくりであるがために、
学校や塾の授業でも、
自分が考えている間に先に進んでしまい、
ついていけない状況になってしまいます。
それから、もう一つの理由として、
“出来るようになるまで
人よりも練習回数が必要である”
ということです。
(前回、車の運転にも例えましたが)
例えば、のこぎりで木を切るのでも
一度で上手に出来るようになる人と、
不器用で何度も練習が必要な人がいますよね。
それと同じだと思います。
ではどうして、勉強において
“考えるスピードがゆっくりである”のか?
また、”出来るようになるまで
人よりも練習回数が必要である”のか?
それは、もしかしたら
生まれ持った資質かもしれませんし、
小学生低学年から、
必要な学習をしてこなかったからかも
しれません。
こういうご相談があるのは、
中学生のお子さんが多いです。
(一番多いのは、中学2年生でしょうか…)
私の指導方針は、
まず、学校の授業についていけることを目指します。
「えっ?10点や15点しか取れないのに、
学校の授業についていけるようになるの?」
と思われるかもしれませんが、
それが、なるんですよね~
まずは1教科だけ…
今、学校で習っていることを
繰り返し練習して貰います。
例えば…
学校で数学の1次関数を習っていれば、
グラフの書き方や変化の割合など、
何度も何度も同じような問題を解かせ、
「この場合は、こうする!」と
パターン化して覚えて貰います。
一度教えたことは、
次の指導日の最初に必ず復習し、
確実に身についているか確認します。
もちろん、
難しい応用問題はやらずに、
基本問題だけを繰り返します。
こういう指導をたった2回行っただけで、
「授業中、全ての問題が解けました!
初めて発表も出来ました!!」と、
嬉しいご報告を頂いたこともあります
こういうタイプの生徒さんに
この指導法が効果的な理由は、
・学校の授業では
基本問題しかやらない場合が多い。
・学校の授業で、
「解ける!分かる!」と思うことは
本人の大きな自信となる。
・今まで出来なかったことが
出来るかもしれないと思うことで
勉強への意欲が湧いてくる。
からだと思います。
中1の数学も全く出来ないのに、
いきなり中2の一次関数から勉強するなんて…
無謀であると感じるでしょう。
ですが、
こういうタイプの生徒さんのペースで
中1の数学から始めていけば、
中2が終わる頃になっても
中1の勉強が終わらず…
ずっと学校の授業についていけない日々が続きます。
子供達は平日、
1日の大半を学校で過ごします。
塾で勉強する時間よりも
学校で勉強する時間の方がずっと長い。
学校の授業を上手く活用することが
成績アップに繋がりますし、
習得がゆっくりなお子さんにとっては
尚更…
(指導回数が多ければ多いほど良いので)
学校での授業を有効活用することが
必須だと思います。
まずは
学校の授業についていけることを優先し、
これまでの学習内容は、
夏休みなどの長期休暇に行います。
「数学は出来ても、
その方法で英語は無理なんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが…
英語も同じ方法で行います。
もちろん、基礎が出来ていないので
少し捻った問題になると
解く事は出来ませんが、
完了形は”have(has)+過去分詞”などと
そればかりを練習すれば、
単元が決まっている定期テストであれば
ある程度は点数が取れるようになります。
こういうタイプのお子さんの指導方法は、
「出来る事を一つずつ増やしていく」
ことです。
塾では”良く出来る子”が
歓迎されることが多いでしょう。
合格実績に繋がりますし、
講師も楽ですから…
ですが、
“考えるスピードがゆっくりである”ことは
受験勉強においては不利かもしれませんが、
生きていくことにおいては
メリットな場合もあるのではないでしょうか?
私が以前指導していた中2の女の子。
勉強はとても苦手でしたが、
植物を育てることが好きで、
優しくて気が長く…
周りから好かれる美人さんでした
“考えるスピードがゆっくりである”ことが
彼女の長所にもなっていると
感じましたね
勉強が良く出来る生徒さんの中には、
「この問題が解けて凄いね」
と言うと、
「当然です~」と言う子もいましたが、
その生徒さんは、
一つ問題が解ける毎に
とても嬉しそうな表情をして、
教え甲斐もありました
(良く出来る子は出来る子なりに
別の教え甲斐がありますが…)
生徒さん1人1人…
今までの学習状況や性質が異なり
それに合わせて指導していく必要があります。
反対にいえば、
どういう生徒さんであっても、
“その子に合った指導法をちゃんと考えれば
伸びていく可能性がある”
ということだと私は思います。
習得が遅い事について書いた記事です↓
もし宜しければ読んでみて下さいね(*^o^*)
習得が遅い | 小学生・中学生のママ達へ (yuyuteacherblog.com)
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