以前、家庭教師を頼まれた生徒さん、
小学五年生で中学受験を目指していました。
初めて会ったのが、
小学五年生の終わり…
六年生になる直前でした。
「先生、受験専門の塾へ
小学校三年生から通わせていますが、
全く成績が上がらず、
このままでは、合格は難しいと
塾の先生にも言われました。
指導をお願い出来ませんか?」
と、お母さんに頼まれました。
「一度、本人と面談してから、
お引き受けするかどうか、
考えさせて貰えますか?」と言い…
いつものように、
1時間の面談を行いました。
面談後…
「お母さん、
中学受験をしないのであれば、
家庭教師をお引き受けします。
または、
中学受験をして合格しても、
合格後は、
私以外の家庭教師を頼んでくれるなら、
お引き受けします。」と、話をしました。
お母さんは、呆然としています。
当然ですよね…
「どうしてでしょう?
うちの子は
そんなに勉強が出来ないのでしょうか?」
いえ、“勉強が出来る出来ない”
ではないんですね。
受験に合格させるのであれば、
まだ1年近くありましたから、
週に5回くらい一緒に勉強すれば、
何とかなるかもしれません。
問題は…合格後に、
中高一貫校へ入学してからなんです。
中高一貫校は高校までの勉強を、
ほとんど高校二年生までに終わらせて、
高校三年生は大学受験のための勉強をします。
(もちろん、それが、
中高一貫校のメリットなんですが…)
そのため、
中学生から高校の勉強をします。
特に体系数学を取り入れている学校は、
中学1年生から、
高校の内容が入ってきて、
高校生になって、
数Ⅰや数Aを学ぶ時には、
「はい、これは中学の時に習ってるから、
飛ばしますね。」
と、すごいスピードで進んでいきます。
つまり、中学一年生から
“しっかり勉強出来る姿勢を
身につけていない子”
は、ついて行けません(>_<)
大切なのは、
“勉強が出来る出来ない”ではなく、
“勉強する習慣や勉強する方法が
習得出来ているかどうか”
なんですね。
中高一貫校に合格した子供さんは、
小学校の簡単な勉強から、
いきなり高校生レベルに近い勉強に
変わる訳ですから、
面食らってしまいます(゚ロ゚)
そして、
「どうしよう~、どうしよう~」
と、オロオロしてる間に、
勉強についていけなくなってしまった
という子供さんは大勢います(ToT)
中高一貫校でたとえ補欠で合格しても、
早い段階で、
自分に合った勉強方法を習得し、
キチンとそれがこなせる精神力がある
子供さんは、
ぐんぐん伸びていきます(^_^)
ですが…
「え~、お友達がゲームしてるのに、
どうして僕だけ
勉強しないといけないの?(–#)」
とか、
「今はテレビを見たいから、
宿題は後回し。
じゃないと、もう受験しない(-.-#)」
とか、
「お母さんが勉強しなさい!
って言うから、やる気がなくなった。
もう、今日は勉強しない」とか…
周りに流されたり、
勉強出来ないのを人のせいにしたり、
“何とか理由をつけて
勉強しないでおこう”という、
精神的に幼く、弱い場合は、
たとえ中学受験に合格しても、
勉強についていけない場合が多いです。
前述の面談を行った生徒さんは、
まさに…精神的に幼い子供さんでした。
1年弱あれば、
中学受験や高校受験の勉強であれば、
何とかなります。
ですが、
精神的にかなり幼い場合は、
1年で強くするのは、難しいです。
それは、1年間という期間で鍛えるのが
無理だということではなく、
精神的に成長する年齢というのがあって、
それは、大きく個人差があり…
小学生五年生で
すでに大人びている子供もいれば、
中学生で
ぐっと精神的に成長する子供もいる
ということです。
中高一貫校では、
中学一年生から難易度の高い内容を学習し、
中学三年生から高校の内容になります。
良い塾や、良い家庭教師をつけても、
本人が勉強方法を確立し、
精神的に成長していないと、
なかなか良い成績が取れません。
ですが、
一般中学なら、難易度が全く違うので、
勉強方法を確立途中であったり、
今から精神的に発達する子供さんでも、
十分に良い成績を目指す事は可能です。
そうして、
十分に勉強方法を習得し、
精神的にも成長した段階で…
高校受験に挑む!
子供さんによっては、
そちらの方が向いている場合も多くあります。
前述の生徒さんのお母さん、
ご家族と相談した後…
「中学受験はやめる事にしたので、
先生、家庭教師をお願い出来ますか?」
と言われました。
その後…
その生徒さんどうなったと思いますか?
地元の公立中学校に進学し、
案の定、
中学一年生~中学二年生の半ばまでは、
勉強をさせるのに苦労しました(>_<)
ですが、
中学三年生からは、自主的に勉強し、
偏差値60を超える
トップクラスの高校に合格しました。
中学受験をして、
中高一貫校へ入学することが、
“良い大学へ合格させるための近道”
とは限りません。
中学受験も…
“子供さんによって、
向き不向きがある”ことを、
親御さんが認識することも
大切なのではないでしょうか?
(*^o^*)
コメント