教育関係のブログを読んでいると…
“最近は、ほとんどの子供達が
中学受験をするんじゃないか?”
“中学受験をしないと
周りに遅れを取るんじゃないか?”
“そのうち、
高校受験はなくなるんじゃないか?”
というような錯覚に陥りますよね。
そう~、
それは、まさしく錯覚です
私のブログを読んで下さっている方の中には、
中学受験は考えていない小学生、
あるいは、
地元の中学校へ通っている中学生の
親御さんもおられると思います。
地方に住まわれていて、
サピ?日能研?何それ?
という方もいるんじゃないでしょうか?
実は私は…
3つの県で家庭教師をしてきました。
(仕事や結婚による引っ越しが理由です)
なので、指導した生徒さんは、
小学校も中学校もバラバラです
もちろん、
小学生時代の周りの環境も大きく異なります。
周りのお友達も大勢進学塾へ通っていて、
“塾だけでは不安なので家庭教師も…”と
頼まれる場合もありますし、
同じ小学校で中学受験するのは
5、6人だけという生徒さんもいました。
同じ小学5年生でも、
「先生、うちの子時計算が苦手なんです。
あと、つるかめ算も微妙です!
宜しくお願いします。」
という親御さんもいますし、
「つるかめ算?それ何ですか?」
という親御さんもいます
そして、その同じ学年の2人は、
「つるかめ算?それ何ですか?」
と言った子供さんの方が
難関国立大学へ合格し、
(中学受験はしませんでした。)
小学校低学年から、
特殊算をビシバシ学んでいた子供の方が
普通の私立大学へ進学しました。
これは私が見た一例に過ぎませんが、
そういうことも現実には
多々あると思います。
“小学生の時に、特殊算も得意で
校外模試で高偏差値を取るから
良い大学に合格する”
“小学校の時に、ほとんど
学校の勉強しかししなかったから、
良い大学に合格出来ない”
そういう因果関係は、
成り立たない場合も多いです。
先日もブログに書きましたが、
中学受験をするのは全国で1割程度。
“残りの9割から、
難関大学の合格者がでない”
などということは、あり得ません。
そして、全国で9割もの中学生が
高校受験をするのに、
高校受験がなくなるなんてことは
あり得ません。
(少なくとも、私が生きている間は
なくならないと思います)
中高一貫校と公立高校の差を
問題視する塾の先生もいるようですが、
公立高校も
優秀な学校がたくさんありますし、
熱心な先生も大勢います。
“中学受験をしないから、
大学受験に遅れを取ってしまう”
“中学受験をしないなら、
良い大学へ入れない”
という焦りは不要であると
私は思います
中学受験をするか否かに関わらず、
小学生から算数の文章題(応用)を
学習し、
考える力を養う必要はありますが、
中学受験をしないのであれば、
つるかめ算や年齢算などの特殊算は
別に勉強しなくても良いと私は思います。
(中学生になり、方程式を学べば
そんな面倒なことをしなくても
一発で解けるので…
頭の体操だと思って、
楽しみながら勉強するなら
それも良いと思いますが…)
本格的な勉強が始まるのは、
中学生からです。
小学生の時に、計算、漢字、読書、
算数の文章題(ちょっと難しいもの)
が出来ていれば、
“中学生からの勉強でなんとでもなる”
と、私は思いますね
中高一貫校では、
全学習を高校2年までに終わらせて、
“高校3年生は受験勉強のみ”
という、学校が多いです。
そういう面では、
中高一貫校は大学受験に有利です。
ですが、中学受験をするデメリットも
あると思うんですよね~
(中高一貫校のデメリット
という意味ではありません)
私が思う…
中学受験をする場合において、
一番、問題だと思うことは、
小学生であるにも関わらず、
「勉強に費やす時間が多すぎる」
場合があることだと思います。
大手進学塾に多いと思いますが、
先取り教育がエスカレートしてきて、
本来であれば5年生で学ぶことを
3年生で学習させたりします。
小学時代の2年間の差は
とても大きいです。
5年生の能力であれば
5時間で習得出来る内容でも、
3年生であれば、
10時間かかるかもしれない
つまり…
5年生で学べば5時間で済むところを、
3年生で多くの時間をかけて学ぶために、
“他の時間が削られてしまう”
というリスクがあります。
中学受験しない子供達が、
読書やスポーツ、
お友達と遊んでいる間でも、
中学受験をする子達は、
小学中学年(あるいは低学年)から、
今の能力以上の勉強をするために
多くの時間を費やさなくてはなりません。
酷い場合は、睡眠時間を削ってまで
勉強する子もいます。
(我が家は小学生までは
夜10時には就寝していました!)
もう一つのデメリットだと思うことは、
親子関係の悪化に繋がるかもしれない
ということです。
中学受験をするということは、
“親子で頑張ること“
どうしても、
親が勉強に関与することが
多くなってきます。
中学受験に合格させたい訳ですから、
普通に勉強をみるのとは、
親も熱の入り具合が異なります。
「どうしてこんなことが出来ないの?」
「こんなんじゃ受験に合格出来ないよ」
「また同じ所を間違えてる…」
親の焦りが、キツい言葉となり…
親子関係が悪化する場合があります。
また、塾へ通うことにより、
周りとのしがらみも増えてきます。
「○○ちゃんは、
偏差値60を超えたらしいよ。」
「○○ちゃんは、
○○中学、A判定だって。」
否が応でも、他の子供の事が
気になってしまいます
心の中だけに秘めることが出来る
お母さんは素晴らしいですが、
つい、口に出してしまう場合も
あるでしょう~
これも、親子関係の悪化に
発展する要因になり得ます
中学受験をしない選択をした場合は、
小学生らしくお友達とたくさん遊んで、
社会に出て必要な協調性を学び、
読書に精を出して、読解力を身につけ、
親子で旅行へ行ったり、
レジャーへ出かけたり……
良好な親子関係を築けるでしょう
(ゲームやテレビ三昧の場合も
あるかもしれませんが…)
つまり…
どちらを選択しても、一長一短あり、
それだけで人生(大学)が
決まる訳ではないということです。
先日も、
「中学受験を諦めました」という
悲壮感漂うブログを読みましたが
中学受験を諦めることが、
そんなにガッカリすることだとは
私は思いません。
(悲壮なのは親だけだと思いますし…)
中高一貫校へ行っても、
地元の中学へ行っても…
大学受験の大変さは同じです
息子の周りの高校3年生達…
この時期、どのような状況でしょうか?
同じ公立中高一貫校では、
早々に学校推薦で地方国立大学へ
合格した子がいます。
学校推薦で早慶上理に
合格した子もいます。
早慶上理に学校推薦で落ちてしまい、
一生懸命共通テストの勉強している子もいます。
息子のように難関大学を目指し、
勉強している子も大勢います。
すでに…東大にA判定が出て、
余裕の子もいます
中学受験しなかった子達の中には、
(合格しなかった子もいます)
就職を希望し、
内定を貰っている子もいます。
公務員試験の勉強をしている子もいます。
学校推薦で有名私立大学が決まった子も
います。
同じ塾で、
息子と一緒に難関大学を目指し、
勉強している子も大勢います。
高校3年生になると、
もはや…中学校の偏差値も
高校偏差値も関係ありません。
本人がどれだけ頑張るか…
最終的には、それだけです
そして、高校3年生で頑張る子供に
育てるためには、
小学生時代の”良好な親子関係”と
小学生時代の”小学生らしい生活”
それも大切なんじゃないかと
私は思います
確かに中学受験は、
(合否に関わらず)子供さんにとって
良い経験となることが多いでしょう。
中高一貫校は、
カリキュラムも素晴らしく
優秀な先生が多く、
周りの環境も良いと思います。
ですが、一般中学で
色々な成績の子供達がいる中で、
誘惑に負けず勉強し、
色々な家庭環境の子供達の中で
揉まれて過ごすことは、
これも良い経験だと思います。
一般中学の方が
運動部の上下関係が厳しい
という話も聞きますし、
目上の人に対する礼節も
身につくのではないでしょうか?
たった12歳の子供に
大きな試練を与えることは如何なものか?
そういう気持ちもあります。
「たった12歳の子供が、
40㎏くらいの体重で
10㎏の荷物を背負って塾へ通っている。
“頑張ってるね”とは思いませんか?」
(二月の勝者の黒木先生の言葉です)
中学受験をさせるなら、
親はそういう気持ちを
絶対に忘れてはいけないと思います。
中学受験をしないことは、
時代遅れではないと思いますし、
中学受験をやめたからといって
さほど子供の人生には影響がないと
私は思います
本当の正念場は…
学校を卒業して社会に出てからです。
息子の小学校の同級生には、
高校卒業後、社会に出る子もいます。
学生生活とはガラッと変わり、
これから長い年月、
働き続けることになりますが、
頑張っていって欲しいと思います
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