危ない早期教育とお勧めの早期教育

以前、家庭教師をしていた
小学6年生の生徒さんが、


「先生、原点を通らない
直線のグラフってありますか?」
って。

「ん?あるけど…どうして?」

「お友達が、
“今塾で、原点を通らないグラフを習ってる”
って!」

「ほう~、
それはすごいね(゚ロ゚)」

「でもね、その子、
原点を通らないグラフを書いて、
算数のテストを間違えたんだよ。

先生に、
“それは今は習いませんから…”
ってキツく言われてた」


原点を通るグラフは比例のグラフで、
小学6年で基本を少し学習し、
中学1年で本格的に学習します。

また、
原点を通らないグラフは一次関数で、
中学2年で学習します。
(中高一貫校は体系数学1で学習)


比例も一次関数の一種です。



また、
以前教えていた中学1年生の生徒さんは、
私が指導を始めた当初、
返却された英語のテストを見ると…

進行形で答えるべきところが、
全て、受身(be動詞プラス過去分詞)
になってる~(>o<)


「どうして…?」と聞くと、
「公文で先取り学習をしていたので、
混ざってしまいました…」
って(T-T)


つまり…
この文章を
「進行形に変えなさい。」
「受け身に変えなさい。」
という問題であれば、

“進行形”、”受け身”と
問題文に書いてあるので
完璧に解けるけれど、

「”母は夕食の支度をしています。”
を英文に直しなさい。」
「”あなたの国では
英語が使われるのですか?”
を英語に直しなさい。」
のような問題だと、

進行形を使うのか、
受け身を使うのか
分からなくなってしまう訳です。



本来であれば、
この内容の学習時期は中学生なので、

“進行形”、”受け身”の意味を
ちゃんと説明して理解してから、

どういう場合は進行形を使い、
どういう場合は受け身を使うか…
その違いを明確にします。



ですが、先取り学習で…
小学生で勉強すると、
とりあえず、進行形に変換する方法、
受け身に変換する方法だけを教えられ、

“進行形が出来るようになった”
“受け身が出来るようになった”
と、勘違いしてしまうわけです(´д`)



前述の、
比例と一次関数のグラフの違いも同様です。

一次関数 Y=aX+b において、
b が0の場合が比例なのですが、

それを、きちんと理解するには
小学生では、まだ幼すぎる場合が大半です。



もちろん、
小学生でも三角比や三角関数まで
理解出来るような子供さんもいます。

ですが、
そういう子供さんは、本当に希です。



分かりやすく言うと…

早期教育の
一次関数のグラフだけを書いたり、
受け身や進行形に変換する方法
を学ぶことは、

お料理で、
“ホワイトソースの作り方を学ぶ”
のと同じです。


“小麦粉とバターと牛乳を入れて
フライパンでかき混ぜる”
超、簡単~(*^▽^*)
と思うでしょうが、

ホワイトソースだけが作れても、
料理にはならない(T-T)



その後、
グラタンにしたり、
シチューにしたり、
クリームコロッケにしたりする
方法を学ばなければ、
料理は完成しません



ですが…

ホワイトソースは作れても、
“今の年齢”では、
グラタンや、シチュー、
クリームコロッケを作るのは難しい

ということですね(^_-)


余計に、
分かりにくかったかしらん(T-T)



早期教育で、
中途半端に学習してしまった場合、

頭の中に
断片的な知識が蓄積されています。



それを幼い子供は…
自分で上手く整理したり、
まとめたりすることが出来ないために、
テストでミスをしてしまうんですね。



蓄積された知識を整理するためには、
一度、頭の中を
リセットしなければなりません

ぐちゃぐちゃにおもちゃが詰まった
おもちゃ箱を片付ける時、
どうしますか?


一度、おもちゃを箱から出しますよね!



頭の中を整理する場合も、
それと同じです(^_-)



新しく買ったおもちゃを、
空のおもちゃ箱に整理して入れるのと、

ぐちゃぐちゃにおもちゃが入った
おもちゃ箱を整理するのと、
どちらが、時間がかかるか…

もちろん、後者ですよね(>o<)



つまり…
一度おもちゃを外に出す時間が、
余計にかかってしまう訳なんです。



早期教育をしている生徒さんは、
そのおもちゃを外に出す作業に
手間取ることが頻繁にあります(T-T)



ですが…
生徒さんの中には、とても上手に
早期教育をされている場合もあります。



中学1年生で…

文章は的確に読める、
計算は速くて正確、

地理はほとんど勉強しなくても
点数が取れる、

落ち着いて、集中して勉強出来る

プラス 
勉強を一から楽しめる!



そういう生徒さんは、
教えることを驚くほど素直に吸収し、

ケアレスミスも少なく、
安定して好成績が取れます。


もちろん小学生の時の成績も
良かったようです(^_-)



そういうご家庭では
どんな早期教育を行ったのでしょう?


まず、読書ですね!

またか~と思われた方も多いと思いますが、
やっぱり基本なんですよね(^▽^)


それから、計算練習
基本はそれだけです(^_-)



早期教育と一言でいっても、
色々ありますよね。

「読み聞かせをしていたら、
まだ3才なのに文字も読めて、
漢字も読めるようになりました。」

そういうのは、
すごく良いと教育だと思うんですよね。


日常の生活の中で、
自然に子供が学ぶ訳ですから…



また、
文字を読める、
漢字を覚える、
地名を覚える、
特産品を覚える、
国名を覚える、
国旗を覚える、
魚の名前を覚える……

などというのは、
それで完結しているわけですから、

いくら幼い時期に勉強しても、
今後の勉強にはプラスの要素しか
ありません(^▽^)



つまり、
先程の料理の例でいうと、
“すぐに食べれるおにぎりが作れた
という感じでしょうか!?

 

地図や図鑑、
資料集の写真に興味を持つお子さんは、
理科や社会が得意となります。


その知識も、
それで完結ですから、
幼い頃から、学べば学ぶほど、
自然に頭の中で整理して蓄積されます。



前述の、
上手に早期教育をされているご家庭では、
子供部屋に
大きな図鑑セットが並べてありましたね。



生徒さんは、
疑問を持ったり、
もっと知りたいと思うことがあれば、
いつもその図鑑で調べていました。



図鑑を見れば、映像として覚えるので、
文字で覚えるよりも、
記憶に残りやすい。

また、図鑑は自分の部屋にあり、
インターネットほど
検索の幅が広くないので、
再検索が簡単です。



出来るだけ多くのことを
幼いうちから学習させ、
“優秀な子供に育てたい”
親なら誰しも思うことでしょう。



ですが…
子供さんが小中学校で学ぶ学習要項は、
教育のプロである学識者達が熟考し、

“この年齢の子供さんには
この学習内容が適切である”

と、判断したものです!



それを信じて、

“基本的な勉強は、
学校の進度に合わせていく”

それが
“最善の学習スピード”だと、
私は思っています(*^o^*)

コメント

タイトルとURLをコピーしました