多くの習い事、その弊害とは…

私は長年、家庭教師をしています。

主に中学生を教えていますが、
各々の生徒さんの理解力は様々です。

また、理解するタイミングも、
理解が出来る分野も様々です。



特に、
予習をする数学や英語に関しては、
違いがよく分かります!

なぜなら…予習一回目は、
どの生徒さんに対しても
同じ説明をするから。



例えば…
中学1年生で学習する方程式。

方程式とはどういうものか説明した後、
方程式の解き方を教え、
次に、文章問題の立式方法を教えます。



どの生徒さんにも、
同様の手順、同様の説明量で教えるので、

同じ説明を聞いて、
どれだけ問題が解けるか…
その違いは歴然です!


家庭教師はマンツーマンなので、
ある意味、塾の先生よりも
個人の違いがよく分かるかもしれませんね。



生徒さんの理解度の違いによって、
説明量を加減したり、
説明方法を変えたり、
進み具合を調整したりします。



では、生徒さんによって、
どのような違いがあるのでしょうか?

前述の方程式であれば…
私が今まで教えた生徒さんは、
一度説明しただけでも、

全員、
方程式を解くことは出来ました。


ちょっと難易度の高い方程式は、
(例えば分数が入ってる場合)
解けない生徒さんもいます。


また、
複雑な方程式は解けるけれど、
“文章問題になると全くダメ”
という生徒さんもいます(T-T)

文章題でも、
速さの問題は出来るけど、
濃度の問題は全くダメ(>o<)
という生徒さんもいます。



簡単な方程式は出来るけれど、
“難易度が高い方程式が出来ない”
という子供さん。

この場合は、
ちょっとコツを教えると、
すぐに出来るようになることが多いです。



そして、
速さの問題は出来るけれど、
濃度の問題は全くダメ(。・_・)
という子供さんも、

濃度の問題のコツを掴むと、
すぐに出来るようになることが多いです。


ですが、
方程式は解けるけれど、
“文章問題になると全くダメ”
という生徒さんの中には、

教えても、教えても…
なかなか理解が出来ない子がいます。


そういう子供さんは、
ほとんどが国語の文章題も苦手。

だけど、
計算はすごく速くて、
図形の角度を求める問題とかも得意。

漢字も出来るし、
暗記も不得意ではない、
という子供さんもいます。



では、なぜ、
方程式の文章題や、
国語の文章題だけが出来ないのでしょうか?

もちろん読書量の問題も
あるとは思いますが…
それだけではありません。



生徒さんをよく観察していると…


私が解答の導き方を説明して、
生徒が答えを書きますよね。

その後、
“類似の問題を解くコツ”を
教えたりするのですが…



聞いていない(゚ロ゚)

次の問題を読んでる~



なので、
類似の問題が出ても解けない(T-T)

その上、
分からなくても、すぐに諦めて、
自分でじっくり考えようとしません。


「それじゃぁ、
勉強が出来るようにならないよ。

私の説明は、
問題を解くコツを教えてるわけだから、
よく出来るようになる早道なんだよ。
しっかり聞いてね(^_-)」
と言うと、

「分かりました!」
と、しっかり聞いてくれます(^▽^)


でも、またすぐに…
聞いていないっ(>o<)



私の話を聞くよりも、
“早く問題を終わらせよう”
と、してしまうんですよね~


“しっかり問題文を読んで
自分で考えたり、
私の話を集中して聞いて、
全て自分のものにしよう”
とすることが出来ない(´д`)


なによりも、
“問題を早く解いて終わらせる”
ことを最優先してしまうわけです。



では…
何が原因でそういう習性が
身についてしまったのでしょう?



「お母さん、
小学生の時はどんな習い事をして、
どういうスケジュールで
生活していましたか?」と、
聞くと…

そういう子供さんのお母さんは、
「そろばんやリトミック、
公文や学習塾、
水泳、ピアノ…と、
色々させたのですが、
全て身につかなくて…」
と言われる場合が、ほとんどです。



月曜日から日曜日まで、
毎日習い事があると、

当然、小学生の子供が
自分でスケジュールを管理出来る
はずがなく…


「明日はピアノだから
今から1時間ピアノの練習して」

「明日は公文だから、
今のうちに宿題をしなさい!」

「1時間後から水泳へ行くから、
今のうちにおやつを食べていて」と、


子供は親が言うことを、
“やるだけ人間”
になってしまっているんですね(゚ロ゚)



時間がないので、
大量の公文の宿題を
“とりあえず早く終わらせる”

塾の宿題も
“とりあえず早く終わらせる”

だから、
早く終わらせることが最優先
が習慣となっているのです(ToT)



厄介なのが…
それが習慣となっている子供さんは、
なかなか軌道修正出来ない事です。


つまり、
注意しても、注意しても、
その時は出来ても、
また元通りになってしまう(´д`)


もちろん
学校でも同じなのだと思います。



確かに、
小学生、中学生の間は、
親が勉強のサポートをしてあげるのは
好成績を取るために
必要なことだと思います。



ですが、
勉強のサポートをするのと、

全て親が管理して、
親が言ったことを”子供はするだけ”
とは、全く違います!


また、
子供の可能性は無限大なので、

「あれも習わせたい、
これも習わせたい。」
という親の気持ちはよく分かります。



ですが…一番大切なことは、
“新しく何かを学ぶ”ことよりも、


“子供自身が持っている
自主性や考える力を伸ばしてあげる”
ことでは、ないでしょうか?



“出来るようになったこと”
を褒めてあげるだけでなく…

“その過程を
ゆっくり観察してあげる時間”
も必要なんだと、私は思います。

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