我が家の大吉君、
今年から大学1年生になり、
アルバイトを始めました
「母さん、バイトをしようと思うんだけど…
住民票がいるらしいから送ってくれない?」
大吉君から電話が来たのが、
ゴールデンウイーク明けの5月。
「何のバイト?」
「大手チェーン店○○っていう居酒屋」
隣で聞いていた大吉パパが、
「居酒屋でバイトなんてダメだよ。
お酒を勧められたら困るし、
夜遅くなるし、
ハードな仕事だろうし…」と反対しました
「どうしてその居酒屋で
バイトしようと思ったの?」
「ん~、
サークルの先輩がバイトしてて、
賄いも美味しいって言ってたし…
ご飯作らなくて良いじゃん
結構、時給も良いし…」
「塾や家庭教師のほうが
時給が良いと思うけど、
その選択肢はないの?」
「塾は時間が短いから
それほど稼げないし、
準備が大変だと先輩が言ってた。
家庭教師は、簡単には
生徒が見つからないだろうし…」
「そう~分かった」
電話を切った後、
「大手チェーン店の居酒屋のバイトは
大吉君では続かないと思うよ。
何事も経験だし、
すぐに辞めると思うから
やらせてみたら良いんじゃない?」
と、大吉パパを説得し、
バイトに必要な書類を送りました。
そして、私の読み通り…
8月上旬には、
「居酒屋のバイトは辞めて、
今は鉄板焼きのお店でバイトしてるんだよ
小さなお店だけど、
高級店で賄いも美味しいし、
店長もとっても優しいんだよ」
と電話で話していました
「そう~良かったね」
いつ居酒屋を辞めたのか、
どうして辞めたのか、
何か嫌なことがあったのか…
一切聞かなかったので、
その辺の事情は全く分かりませんが
大吉パパの反対をスルーした手前、
辞めた直後には言えなかったのでしょう
そして、
8月11日に帰省した大吉君、
高校のクラスの友達、
塾の友達、
サッカー部の友達、
中学のクラスの友達、
塾の先生…
毎日毎日
色々な人と遊び歩いていましたが、
マンションへ帰る前日になり、
「向こうへ帰りたくないなぁ~
バイトが嫌なんだよ。
居酒屋も鉄板焼き店の仕事も
料理を運んだり
洗い物をしたり…
単調で面白くないんだよね
お金は稼ぎたいけど、
飲食店で働くのはやっぱり苦痛だよ」
「自分で選んだ仕事じゃないの?
楽にお金を稼げる仕事なんてないよ。
父さんも母さんも、
行きたくない時があっても
生きていくために働いているんだよ
それに、
鉄板焼きのお店では、店主やお客さんに
可愛がって貰ってるんじゃないの?」
「すごく大事にしてくれてるよ。
でも、それと仕事内容は別だよね…」
「じゃあ、どういう仕事ならいいの?」
「ホントは、
塾もいくつか面接を受けたんだよ。
でも、全部落ちた…
“優秀だね~”って
いつも言って貰えるのに
どうして受からないんだろ~」
「面接でどんなことを聞かれたの?」
「共通テストで何点取りましたか?
得意科目は何ですか?とか聞かれた
点数を言うと、
“数学と英語が凄いね。
数学や英語が出来るのは強みだよ”
って褒めてくれたのに落ちた…」
「…………
他にも色々聞かれたでしょ?」
「ん~
“どんな生徒を教えたいのか?”とか
“どこまでなら教える自信があるか?”
とか聞かれた…」
「何て答えたの?」
「”出来れば、
小学生か中学生を教えたいです”って答えた。
だって、高校生はしんどいじゃん」
「……………………。
それってどういう規模の塾?」
「中規模の塾とか、
個人塾だけど…」
そりゃ~落ちるわ
「塾側がどういう人材を求めているか
考えたことがある?
個人塾なら、
大勢の講師を雇う余裕はない。
なるべく一人の講師で
多くの仕事を賄って欲しい。
多少共通テストの点数が上だったとしても、
“出来れば中学生までで…”と言う
あまりやる気がない人と、
“卒業したばかりなので
高校の勉強もバッチリ覚えています!
忘れているところは、
予習して来るので、
高校生でも教えることが出来ます!”
と、自信満々に言う人と、
どちらを雇いたいと思う?
成績だけで雇うなら、
履歴書だけで充分じゃん。
何の為に面接を行うのか…
それをちゃんと踏まえて面接を受けないと
何度、受けても受からないと思うよ」
私が思う
“面接において一番大切な事”は、
“雇う側の人間の気持ちを考える”ことです。
前述のように、
小さな個人塾では大勢の講師を雇う
金銭的な余裕がないので、
一人の講師で出来るだけ色々な生徒を
指導して欲しいと考えるでしょう。
ですが、大手塾であれば、
各科目平均的なスキルよりも、
数学に突出している講師、
英語のスキルがずば抜けている講師が
欲しいかもしれません。
飲食店でも同じです。
安価でお客の回転が速い大手チェーン店の
居酒屋であれば、
テキパキと動く要領の良い人が
求められるでしょうし、
高級レストランであれば、
落ち着いた雰囲気柔らかい柔らかい
言葉遣いの丁寧な人が求められると思います。
「どうして高校生の指導はしないの?
まず…楽して高給を得たいなんて
虫が良すぎるよ
もう一度、
・応募する塾が求めているのは
どういう人材だろうか?
・自分が生徒なら、
どういう先生に教えて貰いたいだろうか?
・自分が出来る事の最大限はどこまでか?
・自分の出来ない事は何か?そして、
出来ない事はどうやってカバーするか?
そういうことをちゃんと考えてから
面接に挑んでみたら?
アルバイトであれ、
正社員であれ…
教えられる側からしたら同じなんだから
「やる以上は、責任をもってやる!」
そういう気持ちが相手に伝わらないと
面接は合格しないと思うよ」
そう~話をしました。
「そっかぁ~、
でも僕には母さんのようなスキルも
経験も無いしなぁ~
ぼくは何をアプローチしたら
いいんだろ?」
息子は大学1年生、
塾や家庭教師の経験も無く
当然、私のようなスキルもありません。
「誰でも最初は経験値ゼロからの
スタートだよ。
だけど、大学1年生だということが
メリットになることもあるよ!
“僕はあまり要領が良い方ではなく、
時間をかけて習得してきました。
なので、どうやって勉強すれば
成績が上がるのか…人並み以上に
工夫してきたつもりです。
塾での指導経験はありませんが、
僕が行ってきた勉強方法を生徒さん達に
教えることは出来ます。
大学受験に向けて、
今年の初めまで勉強していましたので、
文系大学志望の生徒さんであれば、
高校3年生まで指導することが出来ます!”
と…
自信を持って話してみたらどうかな?」
「”歴史、物理は教えることが出来ませんが、
英語、数学、化学、現代文などは得意です。
英文法、数ⅡBは共通テストで○○点でしたし、
現代文は林先生の講座をずっと聴いていたので
分かりやすく教えることが出来ます!”とか…
自分が出来ない事、自分が得意な事を
出来る限り具体的に話をすると
相手も分かりやすいと思うよ」
面接では、自分が出来る事、
出来ない事を具体的に話すことにより、
雇う側は雇った後のことを
イメージしやすくなります。
そして
自分の良い所ばかりを話すより、
ちゃんと自分の出来ない事も
申告することにより、
話の信憑性が増し、
より信頼度が高まると思います。
私のアドバイスを聞いた息子は、
「うん、
次の面接では母さんが言ったように
話してみるよ
次は受かる気がする…」
と嬉しそうに言い、
3、4日後に
「塾、受かった!」と
一言、LINEがありました
息子が
実際どのように面接で話をしたのか、
私のアドバイスをどれだけ取り入れたのかは
分かりません
もしかしたら、
めちゃめちゃ人手が足りなくて、
たまたま合格したのかもしれませんが…
何はともあれ、
母は嬉しかったです
自分を上手にアプローチするスキルを
身につけることは、
これから社会に出て働く上で、
大きなメリットとなることでしょう。
大吉君にも、失敗を糧にしつつ…
経験を積んでいって欲しいと思います(*^o^*)
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