長年、家庭教師をしていると、
色々なタイプのお母さんに出会います。
「この子の従兄弟が、
同志社大学へ行ったので、
それより良い大学へ行かせたいです。
うちの子で行けますか?」
「???
今、中学1年生なので、
これからの努力次第ですね…」
って、いうか…
そんな理由で、大学を決める?
「とりあえず、学年で10番以内には
入って欲しいです。
そうすれば有名大学へ行けますよね?」
「???
今、100番くらいなので、
とりあえず、50番を目指しますか?」
“入りたい”という願望だけで入れるほど
学校の成績も大学も、甘くはないです…
「先生、本人は小学生の先生になりたいと
言っています。
それでもやっぱり良い大学へ行った方が
有利ですよね。
東大とか、狙って欲しいんですけど…」
「東大には、小学校の教職課程は
ないようですが…」
そもそも東大を出て、
小、中学校の教師になりたい人なんて
ほとんどいないと思うけど…
(特に公立の学校教諭)
こういう意見って、
全て親の意見ですよね…
何の為に有名大学へ行くのか?
誰の為に難関大学を目指すのか?
もう一度、考えて欲しいです。
巷では、
“こうやって東大へ合格しました!”
“うちの子が医学部へ合格したのは…”
というブログや教育本が溢れています。
その内容と同じように、
小学校から進学塾へ通わせて、
親が必死でサポートすると、
うちの子も偏差値70以上の中学に合格し、
超難関大学へ合格するんじゃないか
と、考え、
ある日突然、教育ママに変身し、
子供のお尻を叩き出すお母さんがいます。
(その延長線上で、
家庭教師のご依頼を受ける場合もあります)
確かに…
大手塾へ通い、親が細やかにサポートし、
偏差値の高い中学へ合格し、
東大や早慶に合格する子供さんも
いるでしょう。
教育ブログや
書店に並んでる教育本を見ると、
世の中の大半の小学生は
こんな風に親子で必死に頑張ってる!
と、錯覚される方もいるかもしれません。
ですが実際は、
中学受験する小学生は、全体の2割程度。
それも、大半は首都圏で、
地方によっては、
20人に1人とか50人に1人とかの
ところもあるようです。
私がもっとも危惧していることは…
もしも子供さんが、
第一志望の中学に合格しなかった時、
「あ~うちの子はあまり賢くないんだ」
「うちの子に、
難関大学は無理なんだ」
「息子は医者にはなれないんだ」
と、親が子供の能力を
勝手に判断してしまうことです。
小学6年生の学力で、
高校3年生の学力が決まるのか?
小学6年生の出来不出来で、
将来の職業が決まるのか?
一度や二度の挫折で、
人生が左右されるのか?
そんなことはありません
息子の友人のお兄ちゃん、
中学入学時のテストは
学年で1番でしたが、
卒業時は200人中、150番でした
息子のお友達、
中学は補欠合格でしたが、
今は特進クラスに入っています
私のお友達の息子さん、
中学受験は合格しませんでしたが、
公立高校から医学部へ進学し、
国立病院の医師になっています
そんな例は、
世の中にいくらでもあるでしょう。
「何が何でも、
合格させなければならない。」
「落ちてしまったら、
もう~どうして良いのか分からない。」
「もし、合格しなかったらと考えて、
不安で夜も眠れない。」
受験が近づくと、
こういうお話もよく聞きます。
お母さん!
受験するのは子供さんですから…
受験するのも子供、
勉強するのも子供、
大学へ行くのも子供、
就職するのも子供。
人生を背負うのも子供自身。
親が出来るのは、サポートするだけ
そして、極論を言えば…
大学なんかで、人生は左右されない。
(大半の人達は…)
中学なんかで、もっと人生は左右されない。
確かに…
偏差値の高い中学へ入学すると
難関大学合格の可能性は高くなります。
(その理由は、
教師やカリキュラムなどの
外的因子だけでなく、
本人がそれだけ努力出来る能力を
身につけたことが大きいと思いますが…)
そして、中学受験にチャレンジすることも
とても良い経験になると思います。
ですが、
たとえ中学受験に合格しなくても、
そこで終わりなんかじゃないです。
頑張ったことは、
必ず本人にプラスとなり、
今後の勉強に生かされますし、
これからの努力次第で、
いくらでも逆転できます
受験は、良い結果だけでなく、
悪い結果となった場合も
想定しておくことが大切です。
ですが、
「落ちてしまったら、
もう~どうして良いのか分からない。」
「もし、合格しなかったらと考えて、
不安で夜も眠れない。」
と考えるのではなく、
「もし合格しなくても、
そんなので人生は左右されない。
どんな結果になろうとも大丈夫」
と、腹をくくり…
元気よく明るく、お子さんのサポートを
してあげて欲しいと思います
もう一つ…
幸せの価値観をどのように育てるか?
を、考えたことがありますか?
有名大学へ合格させたいのも
学年で10番以内に入らせたいのも、
“お子さんに幸せになって欲しい”
からですよね?
(お母さんが自慢したいから…
ではないと信じています)
幸せの価値観って、
人それぞれ異なるものです
例えば…給料が20万円でも、
可愛い奥さんと暮らせて幸せだと
思う人もいるでしょうし、
1億稼いでも、孤独で、
自分は幸せだと思えない人も
いるかもしれません。
1000円のピアスでも
喜ぶ人もいるでしょうし、
叶姉妹のように
高い宝石にしか興味がない人も
いるかもしれません。
もちろん、
難関大学を卒業しても、
幸せじゃない人もいるでしょうし、
高校しか出ていなくても、
日々、幸せだな~と思っている人も
大勢いるでしょう。
私は、大金持ちでも、
超~美人でも、スタイル抜群でも
ありません
大豪邸に住んでるわけでも、
人より優れた能力があるわけでも、
華やかな生活をしているわけでも
ありません
でも、夜寝る前には、
「今日も幸せだったなぁ~」って
ほぼ毎日思います
息子にも、
そう思えるような人生を送って欲しいです
それは、
学歴や職種、収入だけでなく、
“幸せの価値観”が
大きく影響するのではないか?
と、私は思います
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