私が指導した生徒さんの学年は、
小学3年生から高校1年生まで。
その中で、最も難しい年齢は、
中学2年生から中学3年生です。
もちろん個人差が大きいので、
中学1年生でも斜に構えた子もいますし、
中学3年生でもニコニコ喋ってくれる生徒さんもいます。
ですが、一番「反抗期かな?」と
感じることが多いのが、
中学2年生と3年生ですね。
思春期反抗期真っ只中なのでしょう。
そして、
私が今まで、もっとも多く指導したのも
中学3年生です。
個人指導もそうですし、
ボランティアや行政の仕事など…
数多くの中学3年生を見てきました。
個人指導の場合、
小学生や中学1年生から
指導を始める場合がほとんどですが、
中には、高校受験に向けて、
中学3年から指導を始める子供さんもいます。
その場合、3人に2人のお母さんは、
「うちの子、反抗期で…」
と言われます
集団指導の中学3年生の場合は、
個人差がもっとハッキリ分かります。
ワイワイとお友達とお喋りし
講師にも色々話しかけてくる子。
講師とはほとんど目を合わせず
黙々と自分で勉強する子。
友達とはワイワイ喋るけれど、
講師に向かっては「はぁ?」みたいな子。
友達とも普通に喋り、
講師にもちゃんと敬語を使える子など…
色々なタイプの子がいます。
中には…
大人に向かってだけ、
攻撃的な態度の子もいます。
そういう子は、
「反抗期で、
お母さんは大変だろうな~」
と、感じます。
でも、そういう反抗期の子でも、
誰に対しても牙を剥くわけではないんですよね。
以前、集団指導で、
ある中3生の男の子が、
「あいつ、マジうっとうしい~
死んでくれ…」
と物騒なことを言っていました。
「何かあったの?」
と聞くと、だんまり…
「じゃあ、誰の事かだけ教えて」
と言うと、
「○○」と講師の名をポツリ。
「そうなんだ、
A君は○○先生の事が好きじゃないんだね。
じゃあ、他の先生と勉強すれば良いよ」
「先生、
好きとか嫌いとかそういう問題じゃないから。
俺たちがうるさいからと言って、
あいつ、
Aを抱え上げて他の席に移動させたんだ。」
とB君。
A君、B君、C君はやんちゃ3人組。
いつも3人でワイワイうるさく、
他の講師からも、よく注意を受けていました。
その時も、
いつものようにうるさかったので、
1人の講師が抱え上げて、
席を離したのでしょう。
(席を離れるように言葉で言っても
聞かなかったのだと思います。)
確かに、うるさいのは生徒達が悪い。
ですが、力づくで押えようとするのも
良くありません。
「そっかぁ~
じゃあ私が○○先生に
“もう生徒を持ち上げないでください。
先生も腰が悪くなりますよ、
若くないんだから…”
と言っておくから、
君たちも少しは静かに勉強しようね」
と私が言うと、
「ギャハハ…」とみんな笑って、
「○○先生、yuyu先生よりは
ずっと若いって…」と
突っ込まれました~
そう~
反抗期の子供が牙を剥くのは、
力づくで押さえつけられた時。
この力づくというのは、
腕力で…とういう意味だけではありません。
言葉の力でも同じです。
その内容が、いくら正論であっても、
「今の成績で高校へ行けると思っているの?
もっと勉強しないとダメでしょ?
分かってるの?聞いているの?
ちゃんと返事しなさい!」
押さえつけるように言われると、
反抗期の子供は聞く耳を持たないだけでなく、
「うるさい」「黙れ」などと、
牙を剥いてきます。
私は、反抗期の子供達に接する時、
いくつか心がけている事があります。
1.笑顔を絶やさない
生徒達が教室へ入ってきた時も
笑顔で「こんにちは~」と言いますし、
帰るときにも、
笑顔で「家でも勉強してね~」と
言います。
もちろん、笑顔で返してくれる生徒なんて
10人に1人もいません
ですが、負けません…
笑顔は絶大な効果があると信じて、
毎回、実行しています
2.頭ごなしに否定しない
「先生、めっちゃ忙しかったから
全然、宿題出来なかったよ~」
と言われても、
「忙しいはずがないでしょ」
とは言いません。
(もちろん、心の中では思っています)
「そっかぁ~、忙しかったんだね。
他の勉強?それとも部活?
あっ…もう引退してるか…
じゃあ、家の手伝いをしてたのかな?
偉いね~」
「………………。」
「でも、受験には勉強も必要だし、
次は、
少~し宿題も頑張ってみる?」
「…………はいはい」
みたいな感じになります
これが、
「忙しいはずがないでしょ」と
言えばどうなるでしょう?
「本当に忙しかったんだって…」
と、色々言い訳するか、
「何?先生俺らのこと信じてないの?」
と、腹を立てるかもしれません。
どちらにしても、
つぎも宿題をしてこない可能性が大です
3.直して欲しいところは、冷静に言い続ける
いつもうるさい生徒さん達もいます。
指導時間中、何度でも…
口に指を当て、「し~っ」と言います。
その回数は10回なんかじゃありません
20回でも30回でも言います
しまいには、
「お願いだから、し~っだよっ」と
言うことはありますが、
決して、怒ったりはしません。
正直、かなりの忍耐です…
4.個人の人格を尊重する
(大袈裟に聞こえますが…)
「今年の生徒はうるさいなぁ~」
とか、
「君たちは本当に勉強しないなぁ~」
という言い方を、
生徒達にする講師もいますが…
私はそういう言い方が
好きではありません。
子供達は1人1人、
とても個性的です。
「A君は、武道をしているだけあって
口は悪いけど
弱い子には優しいよね~」とか、
「韓流の○○君推しだって
言ってたよね。
きっと○○君も応援してくれてるよ~
勉強頑張ろう」とか…
生徒1人1人をしっかり見て、
個人情報もちゃんとインプットします。
「お兄ちゃんに比べて、この子は…」
と兄弟を比較して
子供に怒ったりするお母さんがいますが、
兄弟であっても姉妹であっても、
別人格です。
比べられることを嫌がる子供さんもいます。
特に思春期は、
そういうことに敏感になる子供が
多いような気がしますね。
5.しっかり褒める
中学3年くらいの思春期の子供さんは、
身体は大人でも、
中身はまだまだ子供です。
めっちゃ突っ張ってるような生徒が、
私のペンを床に落としてしまい、
「あっ、しまった」という表情をして
慌てて小走りにペンを拾いに行きました。
大きい図体をして、
いつも斜に構えていて、
デーンと半分横向きに座ってる生徒が、
私のペンが落ちたくらいで、
身体を小さくして、
慌てて拾いに行くんですよ
可笑しくって…笑いながら、
「ありがとう~
急いで拾ってくれるなんて、
優しいね~っ」と言いました。
すると、ビックリした顔で私をみて…
とても恥ずかしそうに頷いたんです。
どんなタイプの子供でも、
褒められて嫌な子なんて
いないんですよね~
うちの息子なんて、
高校3年生になった今でも、
「母さん、良い点数を取ってきたよ~
はいっ、褒めて~」と
自分から、褒め言葉を催促します
反抗期はある子とない子がいます。
“反抗期がなければ…”とか、
“反抗期があるのは…”とか
色々言われていますが、
反抗期のあるなしも
その子の個性だと私は思います。
ただ、反抗期がある場合は、
その期間を上手に乗り切るために、
親も色々と工夫する必要があります。
反抗期の時期も、
反抗期の度合いも、
反抗期の内容も…
子供さんによって様々だとは思いますが、
子供の様子をしっかり観察し、
まだ子供であることを常に意識し、
愛情をもって接すること。
そして、
“反抗期は一時の麻疹のようなもの”
という冷静な視点が
反抗期を乗り切るコツなんじゃないかと
私は思います
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