「先生、新しい日記帳になったんだ」
昨日、5年生の生徒さんが
嬉しそうに日記帳を見せてくれました。
「綺麗な字で書けてるね
学校の宿題で毎日書くのかな?
以前の日記帳も見せてくれる?」
「うん、いいよ~」
…………………………。
「え~っと
4年生の分も見せてくれる?」
「うん、いいよ~」
1年半分の日記を見せて貰いました。
褒めるのも忘れて…
愕然としました
何に愕然としたのだと思いますか?
1年半前の文章と比べて、今の文章が
全く上達していないことに対して、
愕然としました
「ぼくはアイスクリームを食べに行きました。お母さんとお兄ちゃんと行きました。お父さんは仕事でいませんでした。僕はメロン味を食べました。お兄ちゃんはチョコチップを食べました。お母さんはイチゴ味を食べました。おいしかったです。また行きたいです。」
「ぼくは回転寿司に行きました。ぼくはサーモン、はまち、卵などを22皿食べました。お兄ちゃんは卵、サーモン、マグロなどを24皿食べました。お母さんはいか、まぐろ、卵などを13皿食べました。お父さんはサーモン、はまち、ラーメンなどを25皿食べました。美味しかったです。」
「ぼくはパスタやさんへ行きました。ぼくはナポリタンを食べました。お兄ちゃんはマルゲリータを食べました。お母さんはたらこのスパゲッティを食べました。お父さんはピザとビールを飲みました。おいしかったです。また行きたいです。」
1年半、毎日
同じような文章が書かれていました(゚ロ゚)
何年間も日記を書き続けて、
全く上達していない理由は、
何だと思いますか?
それは、
“添削する人間がいないから”
そして、
“上手な文章を書くための工夫を
していないから”
上記の文章は、
誰が読んでも”小学生の文章”だと
分かりますよね。
なぜ、小学生の文章だと
分かるのでしょう?
どこが稚拙だと感じるのでしょうか?
(全て”食べ物の事”なのは別にして…
(実際、9割が食べ物についてでした))
この文章が良くない理由は、
1.一文が短すぎる。
2.末尾が”ました””ました”…と
ほぼ同じ語で終わっている。
3.修飾する語が書かれていない。
この3点です。
「ぼくはアイスクリームを食べに行きました。お母さんとお兄ちゃんと行きました。お父さんは仕事でいませんでした。ぼくはメロン味を食べました。お兄ちゃんはチョコチップを食べました。お母さんはイチゴ味を食べました。おいしかったです。また行きたいです。」
「ぼくは母と兄の3人で、新しく出来たアイスクリーム屋さんへ行きました。父がいなかったのは、仕事で留守だったからです。ぼくはメロン味、兄はチョコチップ、母はイチゴ味を選びました。暑い日だったので、冷たいアイスはとてもおいしかったです。次は、父が休みの日に家族全員で行きたいと思います。」
どうですか?
少し大人っぽい文章に変わったと
思いませんか?
「ぼくはアイスクリームを
食べに行きました。
お母さんとお兄ちゃんと行きました。」
↑小学生は、こういう風に
短文を続けて書く事が多いですが、
これを、
「ぼくは母と兄の3人で、
アイスクリーム屋さんへ行きました。」
と一文にまとめると、
読みやすいですよね。
そして、
「アイスクリームを食べに行きました。」
という文章ですが、
アイスクリームは食べる物なので、
“食べに”という言葉はなくても
意味が通じます。
“食べに行く”のように
“○○しに行く”という言葉を
子供は使いがちですが、
“髪を切りに行く”
↓
“散髪屋へ行く”
“お寿司を食べに行く”
↓
“寿司屋へ行く”
という表現の方がスッキリします。
「新しく出来たアイスクリーム屋さんへ
行きました。」
と、私は変更しましたが、
“新しく出来たアイスクリーム屋さん”
“近所のアイスクリーム屋さん”
“気になっていたアイスクリーム屋さん”
など…
どんなアイスクリーム屋さんなのか
修飾語を加えると、
より具体的な文章になります。
「ぼくはメロン味を食べました。お兄ちゃんはチョコチップを食べました。お母さんはイチゴ味を食べました。」
この文章は、次のように一文にまとめました。
「ぼくはメロン味、兄はチョコチップ、母はイチゴ味を選びました。」
「メロン味を食べる」は
意味は通じますが、
少し違和感があるので、
動詞を”食べる”から”選ぶに変更しました。
最後の
「おいしかったです。また行きたいです。」
この文章は、
どんな風に美味しかったのか、
どういうシチュエーションで
また行きたいのか、
具体的な内容を加え…
「暑い日だったので、冷たいアイスはとてもおいしかったです。次は、父が休みの日に家族全員で行きたいと思います。」
と変更しました。
私が生徒さんに指導する場合、
「どんな風に美味しかったの?」
と聞き、
「ん~」と
全く言葉が出てこないようであれば、
「”本物のメロンのようで
美味しかった”とか
“頭がキーンとなったけど
美味しかった”とか
“10個食べたいくらい
美味しかった”とか…
色々あるよね。
どんな風に美味しかったのか
自分の言葉で表現してみて」
と、具体的な例を挙げ、
もう一度子供に考えて貰います。
「また行きたいです。」
の文章も同様です。
「また行きたいです。」だけでは
あまりに素っ気ないので…
「次行った時には、
お兄ちゃんが食べていたチョコチップを
食べてみたいです。」とか
「来週もまた行きたいです、
あまりに美味しかったので。」とか
「次はトリプルにチャレンジするぞ~と
思いました。」とか…
色々なパターンを挙げ、
“子供の引き出しを増やしてあげる”
ことが、
上手な文章を書くことに繋がります。
“上手な文章が書けるようになる”
ために…
親が添削する3つのポイント
1.短すぎる文章は一つにまとめる。
(1文50文字以内)
2.同じ末尾(”ました”など)が
続かないように工夫する。
3.具体的な文章になるように
修飾する内容を加える。
もちろん、
・”てにをは”などの助詞があっているか
・主語と述語が合っているか
(ねじれの文章になっていないか?)
・漢字が正しく書けているか
などのチェックも大切です!
ですが、それだけでは
上手い文章が書けるようにはなりません。
添削する時には、
語彙力や表現力が身につくように、
「こんな表現方法もあるよ」と
具体例を挙げ、
アドバイスしてあげてください
文章をただ書かせるだけでは、
文章力は向上しません。
(いつまでも
同じような文章を書き続けるだけです)
面倒でも…毎回添削することが、
文章力の向上に繋がります
5年生の生徒さん、
これから毎回、
日記の添削指導を行います
あと1年で…
間に合うかなぁ~
いや…
間に合わせるしかない
頑張ります~
コメント
初めまして。
地方在住で小5の一人息子がいます。
我が家のあたりは高校まで公立で行くのが一般的で、
夫も私も大学受験を経ての下宿生活だったため、
息子も同じようなコースかなと漠然とイメージしながら家庭学習しています。
この冬休みも家庭の日の作文なるものが宿題に出ていましたが、
ひとりで書かせてみると・・・まぁ気になる点がモリモリ💦。
ワンパターンなのは、添削してこなかったことが大きいのですね。
そもそも作文を書くこと自体が、非常に少なかったのかもしれません。
長期休みの作文や感想文だけでなく、
学校で単元ごとに書く『まとめ』の評価もあまりよくなくて、
うーんと唸ってしまうこの頃です。(^^;
加えて・・・母としては字がていねいでないことも気がかり。
つい声が大きくなってしまいます。
新しい年は、こちらのブログを読ませて貰いながら
出来るだけ穏やかに声をかけ、親子バトルが減る様に気を付けたいなと思います。
これからも更新楽しみいしていますね。
初めまして&明けましておめでとうございます。
家庭の日の作文、とても上手に書けていましたね~
お母さんとのやりとりのくだりが、
特に素晴らしかったです(^_-)
少し親御さんがアドバイスされたのかな?(;^^)
でも…それで良いと思いますね。
子供が1人で書き続けるよりも、
お手本を示してあげる方が
上達が早いですから…(^_^)
年明け早々…
嬉しいコメントをありがとうございました。
goopeeさんにとって、
良い一年になりますように☆彡
今更ですが、私が書き方を適切にアドバイスしてこなかったことが、子供がうまく作文を書けない理由だったのか〜!と納得(汗)
「もっと考えて書きなさい!」とか、「もっと詳しく!」とか「具体例を入れなさい!」くらいしか言っていなくて、肝心のどこをどんな風にというところがきちんとアドバイス出来ていなかったな。と反省です。
今日も貴重なお話ありがとうございました!
おはようございます~(*^o^*)
こちらへもコメントをありがとうございます!
長男君もまだ中一ですし、
今からでも充分間に合うと思いますよ。
というか…
本当に文章が上達するのは中学生からですね(^_-)
あのブログは小学生向けのアドバイスでしたが、
中学生からは良質な文章を読み、
もっと引き出しを増やせば、
文章力がどんどん上達していくと思います!
末っ子ちゃんは、
サンタさんに何をお願いしたのかしら~
素敵なクリスマスをお過ごし下さい💓